2017 Fiscal Year Annual Research Report
トランスナショナルな紐帯を保持する移民のホスト社会への編入~三つの最新事例~
Project/Area Number |
15H03131
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 均 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50154844)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 千香子 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (10410755)
一政 史織 (野村史織) 中央大学, 法学部, 教授 (20512320)
佐原 彩子 大月短期大学, 経済科, 助教 (70708528)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 移民 / エスニシティ / 少数者 / 排外主義 / 米国・カナダのアジア系 / ヨーロッパのムスリム / 在日韓国朝鮮人 / ヘイトスピーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)研究会 a)理論研究会2回、調査報告会を2回実施し、調査結果を共有するとともに理論構築を進めた。b)平成29年11月12日、東京大学アメリカ太平洋地域研究センター創設50周年記念公開シンポジウムの際にカリフォルニア大学サンディエゴ校ナタリア・モリナ教授を招聘し米国の人種関係について報告を受け、研究連絡を行った。c)同じく6月23日にはフランス国立社会科学高等研究院のエルヴェ・ル・プラーズ氏を招いてマクロン政権成立前後のフランス政治の展開について報告を受け、研究連絡を行った。 2)海外調査 移民受入地北アメリカで1回、同じく西ヨーロッパで1回、移民送出地東アジアで3回にわたって実地調査を実施した。a)北アメリカ:研究代表者高橋が平成29年8月17日~27日に米国およびカナダ西部のロサンゼルス・サンフランシスコ・バンクーバーで現地の多文化状況と中国系移民受入について調査を行い、チャイナタウンを観察した。b)ヨーロッパ:連携研究者増田一夫が平成30年2月26日~3月13日にベルリン市内で移民の集中するノイケルン・リヒテンベルク両地区で現地調査を行い、また難民受入状況を視察した。c)東アジア:(1)連携研究者谷垣真理子が平成29年6月27~30日に香港で研究連絡、(2)同じく9月15~17日に同じく香港で移住者の里帰り集会を調査、(3)平成30年3月24~28日には台湾の台北で資料調査・研究連絡を実施した。 3)書籍・資料収集 移民・ホスト社会編入・エスニシティ間関係の理論及び実態に関する内外の文献資料を探索・収集し、東京大学総合文化研究科附属アメリカ太平洋地域研究センター図書室・研究代表者高橋の研究室などに収蔵した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年計画の3年目を終えて、ほぼ予定通りに進捗している。1)研究会・資料収集 昨年度に引き続き、移民の適応過程においては、世代交代とともに進む同化を通じての適応過程が現在もなお機能し続けている一方で、国際移動・通信の低廉化により出現した新しい選択肢として故郷との紐帯を維持するトランスナショナリズムが、今後世代交代の中でどのように機能していくかは予断を許さないとの認識が共有された。2)現地調査 北アメリカ西海岸での調査では、とりわけバンクーバーの華人移民子弟が意外なほど中国語でのコミュニケーション能力を保持している点が注目された。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度なので、1)研究会・資料収集をこれまで同様に進めるとともに、2)海外調査は華人居住地について一件のみ実施する予定である(調査地は検討中)。3)総括研究会を複数回実施し、成果発表に向けて研究代表者・分担者それぞれ準備を進める。
|
Research Products
(22 results)