2018 Fiscal Year Annual Research Report
International Joint Research Program on 'Meditatio' from the End of the Middle Ages to the Beginning of Modern Times: a Cross between Spirituality and Philosophy
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15H03150
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷川 多佳子 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (30155204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津崎 良典 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10624661)
桑原 直巳 筑波大学, 人文社会系, 教授 (20178156)
望月 ゆか 武蔵大学, 人文学部, 教授 (30350226)
川中 仁 上智大学, 神学部, 教授 (60407343)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 霊性 / イエズス会 / トマス・アクィナス / イグナティウス・デ・ロヨラ / アントワーヌ・アルノー / サン・シラン / メディタチオ / メランコリー |
Outline of Annual Research Achievements |
中世における霊性に関して、K・ラーナーらイエズス会神学者たちの動向を意識してトマス・アクィナスにおける「恩恵の世界内在」に関する研究成果を公表した。中世から近世にかけて生じた霊性の変遷に決定的な役割を演じたイエズス会そのものについては、1)その人文主義的教育の特徴のさらなる解明、2)上智大学神学部夏期神学講習会での講演を機にした、「他者のための人」という現代イエズス会の教育精神の歴史的文脈の解明とイグナティウス的リーダーシップ(IL)の検討、3)イグナティウス『霊操』の翻訳(第一稿)の完成とピアレビューを行った。なお、『霊操』の翻訳にあわせて、一般的な日本の読者を対象とする霊操の解説の執筆を開始した。また、日本カトリック神学会学術大会での招待講演を機に、使徒憲章「真理の喜び」の提唱する「ミッション」としての神学というカトリック神学の使命に関する考察も深めた。近世における霊性に関しては、アルノー『頻繁な聖体拝領』のうち、メディタチオに関連する第二部第十二章分析に必要な文脈理解のための準備作業、すなわち一次資料の実証的・批評的検討を通じての『頻繁』生成研究を継続した。その結果、『頻繁』が当初、第二部の一部のみで完結予定だったという予想外の結論にたどりついた。また、ヴァンセンヌ城に関する文献・実地調査を行い、サン・シランの実際の牢獄生活とポール・ロワイヤルの伝記との間に大きな乖離があること、その背景に『頻繁』をめぐる論争があったことを発見した。近世において霊性から分岐する哲学的修練については、デカルト、ライプニッツ、スピノザを中心に、メディタチオ、その関連でメランコリー、さらに精神、生命、自然への探求を深めた。メディタチオ/メランコリーに関しては中世の霊性とのつながり、現代への展開も考察した。また精神、生命、自然については日本哲学における諸議論との比較対照も行った。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)