2016 Fiscal Year Annual Research Report
「平和」理論の構築-「和解」概念に着目した応用倫理学的アプローチ
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15H03153
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
越智 貢 広島大学, 文学研究科, 教授 (00152512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池辺 寧 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00290437)
加藤 尚武 人間総合科学大学, 人間科学部, 客員教授 (10011305)
濱井 潤也 新居浜工業高等専門学校, 一般教養科, 講師 (10612369)
山内 廣隆 安田女子大学, 心理学部, 教授 (20239841)
村若 修 鹿児島女子短期大学, 児童教育学科, 教授 (30212260)
秋山 博正 くらしき作陽大学, 子ども教育学部, 教授 (30221716)
硲 智樹 広島大学, 文学研究科, 准教授 (30615480)
杉田 孝夫 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (40206412)
伊藤 潔志 桃山学院大学, 経営学部, 准教授 (40511788)
岡野 治子 清泉女子大学, キリスト教文化研究所, 特任研究員 (50204003)
眞嶋 俊造 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (50447059)
上村 崇 福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (50712361)
衛藤 吉則 広島大学, 文学研究科, 准教授 (60270013)
村田 貫信 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 准教授 (70200293)
桐原 隆弘 下関市立大学, 経済学部, 教授 (70573450)
手代木 陽 神戸市立工業高等専門学校, 一般科, 教授 (80212059)
石田 三千雄 徳島大学, 大学院総合科学研究部, 教授 (90127605)
後藤 弘志 広島大学, 文学研究科, 教授 (90351931)
上野 哲 小山工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (90580845)
後藤 雄太 北海道情報大学, 医療情報学部, 准教授 (90610478)
石崎 嘉彦 大和大学, 政治経済学部, 教授 (80232289)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 和解 / 平和 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究成果は年2回の研究大会で発表された。第1回(2016年9月10日)は、劉金鵬「アジア主義の構造における「手段としての平和」」、楊小平「広島とヒロシマの国際化―ローカル・ヒストリーからグローバル・ヒストリーへ」、村若修「ルヨ・ブレンターノにおける平和と和解―兄フランツと対比して―」、石崎嘉彦「デモスの支配と平和―プラトン『国家』第一巻をもとに民主主義を考えるなかから―」が、第2回(2017年3月15日)では、桐原隆弘「故郷権から普遍的人権へ―国際法学者Otto Kimminich (1932-1997)の所論を手掛かりに」、伊藤潔志「教育基本法における「教育の宗教的中立性」と和解(2)」、後藤弘志「「人位」から「人格」へ-Person/Personalityの訳語確定の意図-」、杉田孝夫「フィヒテ「閉鎖商業国家論」あるいは平和の政治学」、山内廣隆「平和への厳しい道程―G.W.F.ヘーゲルと西晋一郎の君主論、恩赦論」が発表された。成果論文は、応用倫理学プロジェクト研究センターの研究誌『ぷらくしすPRXIS』に、劉金鵬「アジア主義における「平和」の発見―戦時中竹内好のアジア主義的活動に関する考察―」、楊小平「広島とヒロシマの国際化――ローカルとグローバルのはざまに」、桐原隆弘「故郷権から普遍的人権へ―国際法学者オットー・キミニッヒの所論の検討」、Yuta Goto, “The Internet as the Amplification Equipment of Discord:An Approach from Heidegger’s Theory of Technology”、山内廣隆「西晋一郎の君主論・恩赦論―ヘーゲルと比較して」が掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、これまで相互交流なく個別に進められてきた各応用倫理学的領域を、「和解と平和」という概念に焦点を合わせ、フィールド調査における実践的なデータをも考慮しつつ理論の総合と展開をめざした。政治倫理、教育倫理、環境倫理、生命倫理、社会倫理、宗教倫理の応用倫理学領域から「和解」と「平和」に向けた諸理論が提起され、有益な成果がもたらされている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が本科研の最終年度に当たり、生命・環境・教育・政治・社会の各領域で再構成された「和解」概念を、さらに〈総合〉し、世界に通用する〈平和実現のための実践的理論モデル〉を、著作・論文等において公表し、それらの成果を海外に発信したり、臨床の場での応用の可能性を探ったりすることを計画している。具体的に、後藤弘志を中心に、ミュンスター大学で開催予定の「ドイツ哲学会」コロキウムの計画や、越智貢を中心に広島県の初等・中等学校での臨床応用の計画が進められている。4月9日から10日にはミュンスター大学のミヒャエル・クヴァンテ教授を招待し、「和解と平和」に関する講演やシンポジウムを開催し、議論を深める予定である。
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Research Products
(19 results)