2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03170
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Research Institution | Kanazawa College of Art |
Principal Investigator |
保井 亜弓 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (30275086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸福 輝 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 客員研究員 (00150045)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エッチング / ドイツ / ネーデルラント / オランダ / イタリア / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まず2015年7月5日に国立西洋美術館において第1回の会合を行い、本研究の協力体制を確認するとともに、問題点や進め方について議論した。ニューヨーク、メトロポリタン美術館とアムステルダム国立美術館で開催予定のエッチング展では1540年までと時期を区切っており、その後17世紀までの情報は未だ少なく研究する意義があると考えられる。 次に各研究者は、担当地域の現地調査を行なった。 研究代表者保井は、ベルリンの美術図書館で資料収集(2015年6月25-30日)、ベルリンの国立版画素描館で作品調査および美術図書館で資料収集、ドレスデン州立版画素描室で調査、ミュンヘン州立版画館で調査および中央美術史研究所で資料収集を行なった(2016年3月9-17日)。今回はとくに初期の鉄版エッチングの作品を、デューラーやフォプファーを中心に調査した。 研究分担者幸福は、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館で作品調査(2015年7月14―17日)、アムステルダムの国立美術館版画素描室等で作品調査(2015年12月23―27日)を行なった。16世紀との比較のために、とくにレンブラントの作品を調査した。 連携研究者吉澤は、フィレンツェのウフィツィ美術館版画素描室で作品調査および美術史研究所で資料収集を行なった(2016年1月2-10日)。文献史料では、とくにマルカントニオ・ライモンディおよびパルミジャニーノの関連図書を収集した。 連携研究者田中は、パリの国立図書館等で資料収集を行なった(2015年8月11-18日)。とくにフォンテーヌブロー派のエッチングについての資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年は初年度であるので、各分野の基礎資料の収集に主眼を置いた。その点では、本年の調査研究でかなりの基礎文献史料を集めることができたことが成果であると言える。研究代表者保井と研究分担者幸福は、作品の実見もかなり行なうことができた。一方連携研究者の吉澤、田中は文献史料収集が中心となり、作品の実見を多く行なうことはできなかったので、来年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は会合を1度しか行なうことができず、研究者間の連携があまりとれなかった。多忙な日程を調整して会合を持つのが困難であるという状況を考えると、メールなどを活用し意見交換を活発に行なうことが必要であると考えている。 来年度も各自が担当地域の現地調査と資料収集を行なうことが研究の中心となる予定である。
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Research Products
(14 results)