2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03170
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Research Institution | Kanazawa College of Art |
Principal Investigator |
保井 亜弓 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (30275086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸福 輝 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 客員研究員 (00150045)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エッチング / ドイツ / オランダ・ネーデルラント / イタリア / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者保井は、2016年4月25日~28日ヴィーンのアルベルティーナ版画素描館でアルブレヒト・アルトドルファーを中心とした作品調査および同版画館学芸員のクリストフ・メッツガー氏と面談をし、工芸美術館でヨースト・アマンを中心とした作品調査を行なった。ヨースト・アマンはニュルンベルクで、ドイツにおいては比較的早く1540年代とに銅板エッチングを行なっている。この事実はエッチングとエングレーヴィングの併用が行なわれていることから理解できる。この調査により、基本カタログとされるThe New Hollstein Jost Amman, 2001-2003での技法の記載に誤りがあることを発見した。8月18~21日ロンドンの大英博物館版画素描室他で作品調査した。この調査では、16世紀後半にドイツ語圏でエッチングを行なっていた比較的マイナーな作家の作品を集中的に調査した。2017年3月10日~15日ミュンヘンの中央美術史研究所で文献史料収集およびレーゲンスブルクの歴史博物館でアルブレヒト・アルトドルファー作品調査および同美術館学芸員ヴォルフガンク・ナイザー氏と面談を行なった。 研究分担者幸福は、2016年12月9日~13日アムステルダム国立美術館でセーヘルス展出品作品調査、および同展担当者ハイヘン・レーフラング氏との面談、同館資料室での資料調査を行なった。 連携研究者吉澤は、2016年10月31日~11月5日ウフィツィ美術館および美術史研究で作品調査および文献調査を行なった。 連携研究者田中は、2016年8月30日~9月4日パリ国立図書館で文献収集およびフォーンテーヌブロー宮殿他で作品調査を行なった。 各研究者は、初期エッチングにかんする資料、文献収集を積極的に行ない、各自のテーマの研究を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の各研究者の海外調査によって、ドイツ語圏、オランダ・ネーデルラント、イタリア、フランス各地の初期エッチングの作品調査は順調に進んでいる。また初期エッチングについての基礎的な資料、文献についてはかなり収集が行なわれている。作品調査および資料収集は継続して行なっていくが、これまでの調査で各自が一定の方向付けをすることができる段階になってきたことが成果としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年に行なわれる初期エッチングについての展覧会を、アムステルダム国立美術館と共同で企画しているメトロポリタン美術館のキャサリン・ジェンキンス氏とコンタクトをとることができた。現在メトロポリタン美術館で行なわれている最新の科学的調査の情報も得ている。今後さらに意見交換を積極的にしていきながら、それらの成果も本研究にも生かしていくことを目指す。また、最終年度にジェンキンス氏あるいはその他の関係者の招聘を今後検討していく。
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Research Products
(10 results)