2016 Fiscal Year Annual Research Report
伊勢商人の文化的ネットワークの研究――石水博物館所蔵書簡資料をもとに
Project/Area Number |
15H03183
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
青山 英正 明星大学, 人文学部, 准教授 (10513814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱岡 憲司 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (10548720)
早川 由美 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 博士研究員 (30745310)
神谷 勝広 同志社大学, 文学部, 教授 (40233952)
高倉 一紀 皇學館大学, 文学部, 教授 (50278412) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 近世文化 / 伊勢商人 / 書簡 / 書物文化 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度分の補助金は、分担者の急逝という事態により、平成29年4月まで繰り越した。 平成28年度は、石水博物館所蔵川喜田家宛書簡全約4300通のうち、約3200通の撮影を終え、あわせてデータの確認と整理をおこなった。書簡翻刻の進捗状況は次の通りである。1小津桂窓書簡の翻字は、全165通中約100通終了した。2竹内弥左衛門書簡は全90通中50通、3城戸市右衛門書簡は、全130通中21通、4高畠式部書簡は全23通すべてが終了した。 2016年度に発表した研究成果は次の通りである。①「高畠式部と川喜田石水――幕末の京都歌壇と伊勢商人」、青山英正、第34回鈴屋学会大会、於本居宣長記念館、2017年4月16日。② 「川喜田石水「見たき本」から見る基礎教養としての書物と読書」、早川由美、東海近世文学会12月例会、於熱田神宮、2016年12月10日。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
書簡の撮影については、予定通りのペースで進んでいる。研究協力者が、撮影と同時進行で撮影データの確認と整理をしているので、効果的に作業を進めることが出来ている。 翻刻については、小津桂窓書簡翻刻の中心を担っていた研究分担者高倉一紀氏が平成29年1月に急逝されたことは大きな痛手であった。しかしながら、平成29年4月にはその翻刻作業に分担者菱岡憲司氏が加わり、おおむね予定通りのペースで進められる目途が立った。 高畠式部書簡全23通のように、点数の少ないものから順に研究成果が出つつあり、2年目としては順調な進捗状況であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
書簡撮影については、これまで通り、月1回(2~3日)のペースで進め、29年度中に全ての撮影を終了する予定である。 翻字については、小津桂窓書簡翻字の研究会を、書簡撮影調査の日程にあわせて月1回のペースで開催し、29年度中に一通りの翻字作業を終える予定である。竹内弥左衛門書簡の翻字も29年度中に終える予定である。城戸市右衛門書簡は全体の3分の一程度は進めておきたい。 これまでの調査で少しずつ見えてきた、川喜田家九代目爾然斎と京都文壇の関係については、早川由美氏が29年度中に成果を発表できるはずである。また、西村藐庵および江戸の書画ネットワークと川喜田家との関係については、神谷勝広氏が同じく成果発表を予定している。
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Research Products
(2 results)