2016 Fiscal Year Annual Research Report
現代フランス文芸における「南仏」・「地中海」というトポスに関する包括的研究
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15H03191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑田 光平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80570639)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 南仏 / 地中海 / フランス文学 / 芸術 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は当初予定していた、マーグ財団の訪問とマーグ財団のディレクターであるオリヴィエ・キャプラン氏へのインタビューが先方の都合により平成29年に延期となったことを受け、基本的には資料・文献収集、文献読解や、連携研究者との共同研究会の開催が中心となった。4月にはパリ第4大学教授で詩人のクリスチャン・ドゥメ氏に現代詩に関する貴重な講演をしてもらい、活発な議論ができた。とりわけ「南仏」という具体的な地名を超えて、「南」という地域の特異性と「南」の表象についても議論ができた。「南」というトポスには当然、輝かしい地中海文化だけでなく、植民地(アフリカ・アジア)問題も含まれるものであり、その観点から、作家マルグリット・デュラスに関する研究発表と対談の機会を得ることができた。また、日本ではほとんど知られていない南仏での前衛芸術集団(文学、芸術、建築にまたがる)Groupe Espaceの資料を入手し、それに基づいて研究会での発表報告を行った。 また、連携研究者の村松真理子はボローニャ大学で地中海とイタリア文学に関する文献調査を行い、同時にイタリアの詩人レオパルディに関する資料を調査するためレオパルディ・センターを訪れた。レオパルディに関する研究者との交流もあり、その交流は今後も継続する予定である。南仏というトポス、地中海というトポスについて、主に詩という文学ジャンルにおいてどのような表象がなされてきたのかについて研究が進められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していたマーグ財団での資料調査と、財団ディレクターとの打ち合わせが延期となり、多くの予定が狂ったことは否めない。その代わり、資料収集と複数の研究会での報告を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も海外調査をベースにしながら、研究会や講演会を組織し、研究成果を発表していく予定である。予定していたマーグ財団での資料調査と、財団ディレクターとの打ち合わせは平成29年度の夏前後へと延期されたが、そちらは確実に実行できるとの約束をとってあるので、それをメインに据えて平成29年度の活動を再組織することになる。
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Research Products
(12 results)