2015 Fiscal Year Annual Research Report
近現代中華圏の伝統芸能と地域社会~台湾の皮影戯・京劇・説唱を中心に
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15H03195
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
氷上 正 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (40228698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20383383)
戸部 健 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (20515407)
平林 宣和 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40271358)
佐藤 仁史 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (60335156)
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
千田 大介 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (70298107)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 皮影戯 / 台湾 / 潮州 / 京劇 / 相声 / 鉄枝木偶戯 / 中華圏 / 近代化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、次年度以後の本格的な調査・研究に向けた研究基盤の確立を目標に、現地予備調査と文献資料収集を重点的に行った。 上半期においては、各研究分野の研究状況を改めて精査し、今後の調査で明らかにすべき課題を抽出して、5月の研究集会においてメンバー間で議論および問題意識の共有を行った。 続いて台湾において、夏期休暇期間を利用して現地予備調査を実施した。まず台中で研究協力者である嶺東科技大学の邱一峰氏を訪問し、台湾皮影戯の現状と研究状況についての意見交換を行った上で、今後の共同調査について協議した。また高雄では、県の皮影戯館を訪問して収蔵資料の検討を行うとともに、伝統芸能の上演場所となる寺廟も幾つか調査した。さらに台北では、皮影戯・相声・京劇など台湾の伝統芸能についての未入手の先行研究や資料などを精力的に収集した。 下半期においては、台湾における夏期調査の成果を踏まえ、収集資料の整理・分析を進めるとともに、中国本土の陸豊皮影戯や東南アジアに伝播した鉄枝木偶戯など、台湾の皮影戯と系統を同じくする芸能の性質、現状、および研究状況の整理・検討を行い、1月に開催した研究集会においてメンバー間の認識の共有を図るとともに、今後の研究の方向性について討議した。以上の研究成果を論文としてとりまとめ、公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は今後の本格的な調査・研究に向けた研究基盤の確立を目標としていたが、夏期における台湾予備調査や、広東省の陸豊皮影戯・潮州影戯、北京・天津・上海の京劇・相声などについての文献整理への着手など、予定していた課題を全て達成するとともに、今後、調査・検討すべき具体的課題も浮上している。以上から、本研究は当初の計画どおり順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、本年度に確立した基盤に基づいて、台湾および中国本土において現地調査を実施するとともに、その結果および蒐集した文献資料の分析を分野横断的に進め、研究の深化につとめる計画である。 また、本年度の研究を通じて、広東省東部・福建省南部から東南アジアに伝播した鉄枝木偶戯の実態把握の必要性が浮上したため、今後それらについても資料の収集・検討を進めてゆくものとする。
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Research Products
(26 results)