2017 Fiscal Year Annual Research Report
Compilation of an ethnographic dictionary of Tibetan nomadic vocabulary based on the study of Tibetan nomads' wisdom of living
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15H03203
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
星 泉 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (80292994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (30396337)
海老原 志穂 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (30511266)
別所 裕介 駒澤大学, 総合教育研究部, 准教授 (40585650)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | チベット / チベット語 / 牧畜 / 辞典編纂 / 生活知 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は3年間の青海チベット牧畜語彙研究の成果として、辞典編纂に注力した。年度当初には、既に作成していた共同編集用データベースを辞典編纂用データベースとして改変し、牧畜語彙を生活環境や家畜管理、畜産品加工、日常の仕事、民間信仰などの28のカテゴリーに分類できるようにした。この新規データベースにより、調査の不足した箇所を明らかにするとともに、追加調査の準備を綿密に行った。夏期に青海省にて現地調査を行ない、不足部分の調査や不明箇所の確認をし、帰国後には直ちに調査結果をデータベースに登録し、項目の執筆を行った。28のカテゴリーの他に、400の下位分類を設け、牧畜民の生活知が語彙のネットワークを通じて浮かび上がるように工夫を重ねた。 また、調査で撮影した3万枚に及ぶ写真をデータベース化し、辞典編纂用データベースと連携させることで、文字情報のみでは説明のできない点を映像情報で補完できるよう準備を行った。同時に、写真でとらえることの難しい牧畜民の仕事のプロセスや、既に失われた伝統的な民具などは現地で撮影してきた写真や動画をもとに、精緻な図版を作成した。ネイティブによる発音データも録音し、辞典編纂用データベースに格納した。現地での利活用や各分野の研究者による利用も意識し、可能な限り、チベット語ー日本語ー英語ー中国語の4言語を公開することとした。 当初から目標としていたマルチメディア辞典の完成のため、冊子版辞典の編集を進める一方で、写真・図版・音声を同時に参照できるオンライン版辞典とiOS版辞典の制作も進め、2018年3月に、3,500項目からなる『チベット牧畜文化辞典』(パイロット版)(http://nomadic.aa-ken.jp/)を完成させた。3月には制作発表を兼ねたワークショップを実施し、様々な分野の研究者や一般の人びととともに今後の活用に向けての議論を行った。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
本研究の成果は『チベット牧畜文化辞典』(パイロット版)として、冊子版(PDF)、オンライン版、iOS版の3形態で上記サイトより公開中である。ウェブサイトは日本語、英語、チベット語で作成している。
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Research Products
(24 results)