2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H03214
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加納 千恵子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (90204594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷部 弘子 東京学芸大学, 留学生センター, 教授 (30227045)
酒井 たか子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40215588)
濱川 祐紀代 政策研究大学院大学, 政策研究科, 連携准教授 (40725446)
石井 恵理子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90212810)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 漢字 / 評価 / テスト / can-do statements / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に実施したCan-do statements形式の漢字に関する意識調査の結果を基に作成した、漢字学習に関する自己評価表(試用版)による調査および漢字テストを筑波日本語テスト集(TTBJ=Tsukuba Test-Battery of Japanese)上において実施し、学習者へのフィードバックの方法について検討した。そこから得られた漢字学習に関する自己評価および漢字テストの結果データを分析した結果に基づいて、7月30日第62回JSL漢字学習研究会において講演「漢字圏学習者と非漢字圏学習者のための漢字学習と評価の方法」を行った。また、9月9日、10日に開催されたBALI 2016 International Conference on Japanese Language Educationにおいて、本研究の研究分担者とともにパネル発表「非漢字圏学習者の<漢字力>の養成を目指してー学習者の日本語レベルや属性に応じてー」を行い、全世界の日本語教育関係者からのレビューを受けた。また、インドネシアの中等教育機関において本研究の成果である漢字のテストに関する講演を行い、学習者および教師から有用なコメントを得ることができた。さらに、研究成果に基づいて、上級者向けの漢字力診断テストの開発を進め、10月9日の日本語教育学会秋季大会において、ポスター発表「音声を利用した漢字力テストの開発ー上級日本語学習者のための漢字力診断テストー」を行い、発表時に得られたコメント等を検討した結果を合わせて、『筑波大学グローバルコミュニケーション教育センター日本語教育論集』32号に共著論文「中上級学習者のための音声を利用した漢字語彙テストの試みー上級漢字力診断テストの開発に向けてー」をまとめた。年度末には、漢字力テストのフィードバック機能を学習者用画面にも追加するためのシステム改修を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の交付申請書に書いた計画通り、TTBJ(筑波日本語テスト集)システムによる漢字テストデータの収集、can-do statements データの収集を行い、その成果を国内外の日本語教育関係の学会および研究会において発表することができた。交付申請書にはインドネシアで日本語教育国際研究大会が開かれるのを機に、現地の教員からオンラインによる評価を受けると書いたが、実際には現地の通信環境が整わず、オンライン上での評価の実現はできなかった。しかし、代わりに現地の高校および大学を訪問してテスト内容の説明を行い、口頭でレビューを受けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、引き続きデータの収集を行って漢字テストおよび漢字力診断表の改良に努めるとともに、本研究の最終年度に当たるため、3年間の研究成果をまとめて発表する機会を設け、報告書も作成する計画である。また、すでにTTBJ上で公開されている初級および中級の漢字力診断テストに加え、上級の漢字力診断テストの公開も行いたい。さらに、本研究の成果である漢字テストの受験および漢字力診断表の見方などに関する評価法マニュアルの作成を予定している。
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Remarks |
筑波大学グローバルコミュニケーション教育センターのURLおよび日本語・日本事情遠隔教育拠点のURLからもアクセス可能である。
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Research Products
(16 results)