2017 Fiscal Year Annual Research Report
Business Japanese Computerized Adaptive Test
Project/Area Number |
15H03217
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
赤木 彌生 東亜大学, 人間科学部, 客員研究員 (30346580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中園 博美 島根大学, 外国語教育センター, 准教授 (40314611)
伊東 祐郎 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (50242227)
今井 新悟 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50346582)
堀井 惠子 武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (70279769)
本田 明子 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 教授 (80331130)
家根橋 伸子 東亜大学, 人間科学部, 教授 (80609652)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ビジネス日本語テスト / 適応型テスト / 問題項目分析 / 事前テスト / 能力推定 / インターネット受験 / Can-do statements |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、BJ-CATコンピュータ適応型ビジネス日本語テスト(以下BJ-CAT)の研究開発を行ってきた。BJ-CATは、インターネット受験で留学生や外国人人材の日本語ビジネス能力を測定することができるコンピュータ適応型テストである。先行研究で開発を行ったJ-CAT日本語テストのシステムJ-CATモデルを援用したシステムを用いたBJ-CATビジネス日本語テストβ版の構築および運用実験、事前テスト用CBTシステム構築、問題項目形式設定・基準作成、作題編集、聴解用イラスト作成、聴読解用視覚情報作成、非母語話者への事前テストの実施、回答データの問題項目分析(以下IRT)、問題項目のシステムへの搭載、事前テストCBT版の世界規模での運用実験などを行った。この事前テストは、国内・海外の日本語教育機関で実施した。非母語話者への事前テストで得られた回答データをIRTを用いて分析を行い、困難度・識別度パラメータを算出し、システムに搭載を行ない、BJ-CATβ版をアップロードした。現在、運用実験を行ない修正を行っているところである。 BJ-CATは、受験者の能力推定をしつつ判定を行う適応型テストである。この適応型テストでは問題項目分析を行った問題項目のみを用いテストを構築するため、事前テストを実施する必要がある。 事前テストに搭載していたビジネス日本語Can-do statementsの質問についても、回答データから算出したシータデータを用い分析し、BJ-CATに適した質問20問を選択し、BJ-CATβ版に搭載した。4技能に関する質問およびテストでは測ることができないスピーキング力などもチェックできる質問も含めた。今後、留学生や外国人人材にBJ-CATとJ-CAT日本語テストを同時期に受験をしてもらい、BJ-CATにおける能力推定が適切に行えるかどうかについて検証を行なっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BJ-CATコンピュータ適応型ビジネス日本語テスト(以下BJ-CAT)のための問題形式設定、作題編集、事前テスト用CBTシステム構築、非母語話者への事前テストの実施、事前テストで得られた回答データの問題項目分析、BJ-CATβ版システム構築運用、動作確認、インターネット環境チェックなど順調に研究開発を進めることができ、受験者に受験してもらえる段階にきた。 これまで、国内の日本語教育機関および企業をはじめ、中国、台湾、韓国、ベトナム、インドネシア、ヨーロッパなど世界各地の日本語教育機関および日本企業において非母語話者への事前テストを行った。回答データは、問題項目一つにつき500名のデータを収集することが望ましいとされている。このため、各セット500名のデータ収集を目指し、最終的には、全7セット3454名、平均493名のデータが収集できた。しかし、ビジネス日本語経験者や日本語能力レベルN1の被験者を募ることは予想した以上に困難であったため、事前テストの実施に予定した以上の時間と経費を要した。 また、項目分析結果から上級レベルから超級レベルを測る回答データが不足していることも判明した。今後、追加作題、事前テストを行い、上級レベルおよび超級レベルの問題項目を補強し、適正にビジネス日本語能力を測定できるテストにするべく修正を行なっていく。
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Strategy for Future Research Activity |
BJ-CATコンピュータ適応型ビジネス日本語テスト(以下BJ-CAT)は、適応型テストであるが、このテストでは受験者の能力推定をしつつ判定を行っていく。このため、現在運用を行っているBJ-CATβ版で受験者のビジネス日本語能力レベルが適正に判定でき、かつ適正に得点表示できるかについて検証を行っていく。留学生、外国人人材にBJ-CATβ版とJ-CAT日本語テストをほぼ同時期に受験してもらい、相関関係を取り、BJ-CATとJ-CAT日本語テストとの得点分析を行う。BJ-CATβ版は、日本語能力試験のN3から受験できるが、N1以上の超級レベルも測ることが可能であると仮定している。このため、BJ-CATβ版の受験者データ、回答データを分析し、ビジネス日本語レベルを検証する。また、BJTビジネス日本語能力テスト(日本漢字検定協会)との相関関係もとる計画であったが、事前テストに予定以上の時間と経費がかかったため、本研究を継続して実施できるよう計画の修正を行っているところである。また、J-CATモデルを援用したシステムでは、Flashを用いたシステムであるため、HTML5への改変が必要となる。そのためにも、研究を継続し、システム改変を行い、BJ-CATが留学生、外国人人材のビジネス日本語能力がインターネット受験によって容易に測ることができるテストにしていく計画である。
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Remarks |
BJ-CATコンピュータ適応型ビジネス日本語テストは、現在β版としてアップロードし、検証を行っている。
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Research Products
(2 results)