2016 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト第一次世界大戦の時代としての現代史の再検討ー世界性と現代性の概念を中心に
Project/Area Number |
15H03231
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山室 信一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10114703)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 耕太郎 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00264789)
藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
小関 隆 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10240748)
野村 真理 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (20164741)
田辺 明生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30262215)
坂本 優一郎 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (40335237)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 現代 / 世界 / 人文学 / 歴史認識 / 記憶 / 環境 / ローカリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度に引き続き、京都大学人文科学研究所での平均月2回の研究会をベースにしつつ、2016年度には13回の研究会を開催した。ローマ帝国解釈、モデルネ言説、1970年代のアメリカの変容、ロシアのコスミズム、フランス植民地、朝鮮現代史解釈、美術史、ジェンダー史、新作オペラ、環境問題、空間論、中東欧の第二次世界大戦認識論争、等、現代世界の検討に有意と思われる多様な切り口から議論を深めることができた。2016年度に開催した研究会のうち2回は一般のオーディエンスに公開する形態をとり、研究成果の社会還元にも務めた。 さらに、11月には京都大学人文科学研究所において国際研究フォーラム「東アジアにおける歴史認識と歴史教育:人文社会科学の課題と可能性」を主宰し、韓国、中国、台湾の研究者との学術交流の場をもった。 これは2015年度に共催した国際カンファレンス「歴史と記憶の政治とその紛争」を引き継ぐ性格のものであり、前者の焦点は東アジア、後者の焦点は中東欧であったが、いずれも歴史認識という今日的な重要論点を国際的な視野から検討する企画という点で共通する。 研究班の代表者である山室信一が、2007年より班長を務めてきた京都大学人文科学研究所における共同研究班「第一次世界大戦の総合的研究」をもとに再編し、新たな拠点を形成するため、異なる地域/時代を専門とする研究分担者ならびに各自が所属する研究者コミュニティーの間の知識の共有と認識の深化および人的交流を重視し、実現してきた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個々の研究会における報告と討論の充実については、前向きの評価が相応しいものと自負している。それを通じて共通認識となりつつあるのは、現代世界が抱える諸問題を把握するうえで、相対的に長期の歴史的パースペクティヴが有効なことであり、この点は人文学の今日的役割や可能性を探るという課題に取り組むための重要な足がかりとなる。今後の研究活動に求められるのは、個々の切り口からの検討をより大きな図柄、いわば現代世界のトータルな把握に連動させてゆくことであり、これが2017年度の最も喫緊なテーマであるといえるかもしれない。
|
Strategy for Future Research Activity |
2017年度前期は従来通りに研究会を開催し、核兵器、冷戦、チャリティ、金融・財政、等の切り口からの現代世界の検討を進める。その後は、研究成果のとりまとめに向けて、単なる持ち寄り論文集や報告原稿の寄せ集めではなく、各論考が有機的に連関しあい、1つの作品としての凝集性をもった書籍をどう具体化してゆくか、検討を重ねてゆく。同時に、書籍とは別の成果公開のかたちも考える必要がある。最終的に人文学の新たなレゾン・デートルを主張できるような現代世界像の構築に到達したい。
|
Research Products
(31 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] ヴィクトリア朝の人びとと投資文化2016
Author(s)
坂本優一郎
Organizer
日本ヴィクトリア朝文化研究学会第16回全国大会
Place of Presentation
筑波大学東京キャンパス文京校舎
Year and Date
2016-11-26 – 2016-11-26
Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-