2017 Fiscal Year Annual Research Report
Linking Cloth-Clothing Globally
Project/Area Number |
15H03233
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
杉浦 未樹 法政大学, 経済学部, 教授 (30438783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 桂子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (10551137)
角田 奈歩 東洋大学, 経営学部, 准教授 (10623209)
後藤 絵美 東京大学, 日本・アジアに関する教育研究ネットワーク, 特任准教授 (10633050)
竹田 泉 成城大学, 経済学部, 教授 (20440216)
鵜飼 敦子 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員 (30584924)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 織物 / 繊維 / 価値 / 消費 / 衣類 / 世界市場 / 糸 / 廉価化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、プロジェクトの第三段階にあたる。これまで二年間で、核となるテーマを結晶化したので、前半には、それをメインとした(1)シンポジウムを複数遂行し、また共同調査を行った。その際常に意識したのは最終成果をどのように導きだすかである。そのため、これらのシンポジウムには、個々の参加研究者の諸成果をブラッシュアップさせるような取り組みも盛り込んだ。後半には、(2)個々の研究者がこのプロジェクトの土台として話し合ってきた成果を学術雑誌に投稿して発表することにつとめたほか、(3)最終成果となる共著の枠組みについて、実施計画を練り、出版社との話し合いもすすめた。 (1)~(3)について具体的に述べる。シンポジウム・共同調査は主たるものを2つ、関連を2つ開催した。主眼となったのは6月に開催した、John Styles氏を招いての、"Popularizing Fabrics and Clothing 17th-19th centuries: Materiality, Value Formation and Technology”である。京都、東京で合計三回研究会を開催した他、桐生で共同調査を行った。関連の中で最も大規模なのは当初より企画していた美術史家を招いてのシンポジウムシリーズGlobal Costume& Global Artである。京都・福岡・東京で国際シンポジウムを開催し平戸長崎で共同調査を行った。その他二件の国際シンポジウムを共催した。 (2)では研究代表者が悉皆を扱った論文を英文ジャーナルに投稿し承諾されたほか、英文ジャーナルに特集号を編纂し、分担者も英語論文集や紀要などに関連研究を発表した。また初年度に行ったシンポジウムの論文集についても出版社が決定し刊行最終準備まで到達した。 (3)では、仮題『糸・布・衣のグローバルヒストリー』とし、執筆者6名を決め、担当や作業を具体化させ、刊行の準備をし始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
以下の三つの理由から、計画は当初の想定以上に進展している。第一に、海外の研究協力者としてJohn Styles教授が加わり、本研究が主眼とする布と衣類の物質性を分析する側面を大幅に進歩させることができた。その結果は来年度国際学会でパネルとして発表し、さらに国際シンポジウムを共催したあと、この研究の共同成果である共著本に直結させる。第二に、この一連の流れを発展させるのに不可欠な国内共同研究者との連携も強化できた。絹と化学繊維の先進的な研究を遂行する城西大学の井上直子氏とイスラーム圏とイタリアを橋渡しする布と衣の研究が行える専修大学の飯田巳貴氏との研究協力を進展させ、来年度の研究分担者として迎え入れる。第三に研究代表者の国際共同研究加速基金が付与されたため、その基金で行う研究と、この基金で行う研究を区分し、より深度の高い研究計画を練り直すことができた。 一方研究初年度に行った会議の論文集について出版社に打診していたが、出版元もきまり、今年度中に実現することはできなかったが来年度早々にe-Bookとして刊行することが決定し、四月現在時点で再校中である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるので、事前に計画したとおり、諸成果の発信に一層の重心をおき、研究を推進する。共著執筆、国際学会パネル参加やジャーナル投稿による諸成果の国際発信、研究代表者の著作刊行がその三本柱となる。さらに、当初の計画では国内で最終シンポジウムを行う予定であった。しかし、研究代表者に、国際共同研究加速基金およびレーヴァーハルム基金が付与され、英国のウォーリック大学に長期滞在することになった。そのため、応募時当初想定していた計画を一部変更する必要が生じた。最終年度シンポジウムは海外での遂行を海外中心に計画しなおした。7月末は世界経済史学会でボストンでパネルを組織し、9月前半に関連シンポジウムを二回ロンドンで行い、また2月にウォーリックで次の研究発展につながるシンポジウムを開催する。そして最終的に3月にヴェニスで共著に直結するシンポジウムを開催する。最終年度に、研究者の個々の分担テーマに基づく諸成果を、これらの一連のシンポジウムによって国際的な学術の環境の中で検証し、まとめていく。当初の予定とは異なり、これらのシンポジウム参加への旅費が予算支出の大半を占める。一方で、国内での活動は全くやらないかというとそうではなく、活発におこなってきた国内研究会は、研究分担者を中心に開催し、広く参加をつのり国内への発信を続ける。共著にむけた話し合いも研究代表者の一時帰国時に研究会を開催し継続する。
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Research Products
(45 results)