2017 Fiscal Year Annual Research Report
旗本高木家文書を中心とした分散資料の統合と共有化に関する研究
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15H03237
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石川 寛 名古屋大学, 人文学研究科, 特任准教授 (30612527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 晶則 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40293691)
斎藤 夏来 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (20456627)
池内 敏 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90240861)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日本史 / 旗本高木家 / 高木家文書 / 史料研究 / 木曽三川 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の調査・研究では、名古屋大学附属図書館およびその他の公的機関や個人が所蔵している旗本高木家文書の撮影と収集に取り組み、内容分析と目録データ入力およびデータベースの作成・公開をおこなった。詳細は以下の通りである。 1.台湾大学図書館で東高木家文書の調査をおこない、それを踏まえて「台湾大学所蔵の東高木家文書について(調査概要報告)」をまとめた。2.これまでに確認されている弘治~慶長期の初期文書に関する基本的な情報を整理し、そのうえで大倉精神文化研究所(横浜市)において初期文書写を含む同所所蔵の東高木家文書を調査し画像データを入手した。3.高木久子氏所蔵高木家文書の追加調査に取り組み、近代の当主である高木貞元に関わる書状等を新たに確認した。4.大垣市からの情報提供により、岩須自治会が所蔵する山論絵図と書状2通のデジタル撮影をおこなった。絵図は高木家と青木家の相給になる岩須村の山論に関する裁許絵図であり、2通の書状も高木家に関係のある資料であった。5.徳川林政史研究所が所蔵する東高木家文書のうち一紙物の残り430点余について細目録を採取した。6.東高木家文書(個人蔵)の新出資料の整理・補修・撮影をおこない、宝暦治水の経費勘定帳類や寛文期の論所見分大型絵図など、附属図書館所蔵西高木家文書を補完する重要な資料を確認した。7.この他、名古屋大学附属図書館が所蔵する西高木家文書の撮影と補遺文書の整理、名古屋市蓬左文庫が所蔵する東高木家文書の閲覧と撮影を引き続きおこなった。8.東高木家文書を含む広栄寺文書および西高木家文書を含む海津市歴史民俗資料館所蔵岡田家文書については、整理を終えて目録を発表した。9.高木家文書デジタルライブラリーを全面リニューアルし、当館所蔵の高木家文書のみならず、これまで調査・整理してきた他機関・個人蔵の高木家文書も登録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高木家文書および関連文書として、新たに高木家所蔵文書34点、岩須自治会3点、台湾大学所蔵文書43点、大倉山精神文化研究所所蔵文書50点、徳川林政史研究所所蔵文書約840点を確認することができた。また、海津市歴史民俗資料館岡田家文書958点(このうち西高木家文書は413点)および広栄寺文書263点については整理を終えて目録を発表した。 継続的に取り組んでいる個人蔵の東高木家文書については、新出資料796点の撮影を終えることができた。北高木家関係文書(個人蔵)については目録刊行に向けた準備を進めている。 名古屋大学附属図書館が所蔵する西高木家文書については、治水資料および幕末・明治期の資料を中心にデジタル撮影を実施するとともに、整理途中であった補遺文書の整理を進めた。 これまで調査・収集・整理してきた学内外の高木家文書を高木家文書デジタルライブラリー(https://libdb.nul.nagoya-u.ac.jp/infolib/meta_pub/G0000011Takagi)に登録することで、本研究の課題であった分散した旗本高木家文書のデジタル上での統合を実現しつつある。また、高木家の支配と密接に関わる地域資料についても登録を進めており、関連資料群の所蔵者の枠を超えた横断検索と貴重資料のデジタル画像閲覧を可能とした。現在までに登録した件数はメタデータ7万6866件、画像23万4074点にのぼる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、分散した高木家文書の内容調査・データ収集・撮影を進め、収集した文書群相互の関連性の分析と統一した内容分類項目の作成をおこない、関連文書を統合したデータベースの作成をめざす。その成果をもとに、高木家文書の構造分析と特質解明に取り組む方針でいる。 そのため、引き続き関係資料―名古屋市蓬左文庫・徳川林政史研究所・個人が分散所蔵する東高木家文書、名古屋大学附属図書館以外に所蔵される西高木家文書、東京大学史料編纂所が収集した高木家文書の影写本、個人蔵の北高木家関係文書、大垣市に伝来する地域資料など―のさらなる調査・収集による文書情報の蓄積を進める。 その上で所蔵機関およ個人所有者との十分な協議、取り決めをおこない、調査・整理の終えた高木家文書および関連資料群の高木家文書デジタルライブラリーへの登録を進め、高木家の活動に関連して生成された資料群の統合と共有化を高度に推進する。
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Research Products
(8 results)