2015 Fiscal Year Annual Research Report
日記資料に基づく高度成長期日本民衆のデモクラシー意識の特徴と変容に関する研究
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15H03243
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
吉見 義明 中央大学, 商学部, 教授 (40102884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 祐介 明治学院大学, 教養部, 助教 (40723135)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民主主義 / 平和意識 / 民衆意識 / 高度成長 / 民衆の日記 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄県那覇市、読谷村、宜野座村、国頭村などで調査を行い、本土の高度成長期にあたる時期の宮城親義日記、知花成昇備忘録、新里善助日記、浦崎康裕日記、屋良朝苗日記などを収集した。また、瀬長亀次郎日記などの所在を確認した。収集した多様な人々の日記の分析により、当該時期の沖縄の人々の当面した課題、戦争と平和に関する意識とその変容、民主主義意識とその変容を具体的に明らかにする道が開かれた。とくに、アメリカ軍・米軍基地に関する意識の分析は重要である。その一部は、中央大学の紀要『商学論纂』で発表したい。 岐阜県歴史資料館で高度成長期を中心とする野原武雄日記を収集した。これによって、本土の保守的な住民の戦争や平和に関する意識、民主主義意識のあり方とその変容、とくに地域の遺族会の在り方を追跡できこととなった。 岐阜県立大学で朴慶植文庫の調査を行い、朴慶植日記を新たに発見し、閲覧した。また、関連資料を調査した。高度成長期の在日朝鮮人の民主主義意識とその変容を探る手がかりのひとつとなるであろう。 同志社大学で開かれたシンポジウム「日記からみた東アジア脱植民地化と冷戦」に参加し、同時期の韓国の日記を発掘している韓国人研究者と交流した。同時代の日韓の日記との比較研究の可能性が見えてきた。 福田秀一蒐集日記コレクションの調査と試験的データベース化を行った。 「女性の日記から学ぶ会」に積極的に参加して、研究面などで協力した。その所蔵の日記の整理への協力は、同会の25周年記念の準備等があり、今年度はほとんどできなかった。これは次年度を期したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
沖縄・岐阜・滋賀で日記の調査と収集を行うことができた。とくに沖縄では予期以上の成果があった。 福田秀一蒐集日記コレクションの調査と試験的データベース化を行った。 韓国の研究者と交流ができたことは予想以上であった。 「女性の日記から学ぶ会」の所蔵日記の整理については、今年度は、同会が25周年の準備の忙殺されていたので、ほとんどできなかった。次年度を期したい。
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Strategy for Future Research Activity |
①地域を特定して、日記の収集を継続したい。候補としては、北海道、岐阜・滋賀(2回目)などを検討中である。 ②「女性の日記から学ぶ会」と協力して、同会所蔵の日記の目録作りなどを行いたい。 ③福田秀一蒐集日記コレクション中の高度成長期関連日記のデータベース化を進めたい。 ④収集した日記の分析を進めたい。
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Research Products
(2 results)