2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Urban History in India
| Project/Area Number |
15H03250
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
水島 司 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (70126283)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | インド / マドラス / コインバトール / カーンチープラム / GIS / 都市史 / 国勢調査 / ベース・マップ |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インドを対象とするGIS（地理情報システム）インフラをインドの都市部まで拡大して整備し、それを基礎として植民地都市と地方都市、具体的にはイギリスによるインド植民地支配の管区政府が置かれたマドラス、代表的な宗教都市であり、また伝統的な綿業都市でもあるカーンチープラム、20世紀に入り新興工業都市として台頭し、現在はインドの代表的な工業都市へと成長してきたコインバトールを選び、各都市に関する18世紀以降の形成過程を実証的に解明することを目的とした。
この目的に沿って、基礎作業として、南インド諸都市のGISベース・マップを入手し、それらの都市内の全地名データを抽出して整備し、ウェッブ上のインド地名検索システムであるIndia Place Finderに提供した。次に、前年度に行った英国図書館での総計数千枚にわたる写真での撮影データを印刷・整理し、その一部をGISに組み込んだ。マドラスに関しては、同地の各種地図、国勢調査報告などを元に19世紀以来の基本GISベース・マップを数種作成し、統計とリンクさせ、カーンチープラムに関しては、南インドの綿業構造・宗教活動の中に同地を位置づける作業をし、コインバトゥールに関しては、南インドの製造業の発展と同地の企業活動に関する情報をGISに結びつけるためのベース・マップを作成した。また、インド都市史に関連する各種文献を収集・整備した。
こうした基礎作業と並行して、研究代表者は数名の研究協力者を集め、インドの都市史に関する研究会を合宿形式で9月および3月に組織した。そこでは、全員による報告、三都市の比較のための研究視角と問題点の整理、および最終報告書のための研究計画の再編を行った。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画で、マドラス、カーンチープラム、コインバトールの三都市を選び、それらの都市に関するGISベース・マップを作成し、それらの都市の歴史的進展を具体的に地図化すると同時に、三都市の比較を行って、インドの都市史研究に寄与することを目的としていた。いずれの課題も、順調に進展したが、当初本年度に計画していた現地調査が実施できず、また英国図書館からの地図の一部が送付されてこなかったことから、それらの部分については翌年度に繰り越さざるをえなかった。しかし、全体として順調に進展したと考えている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年になるので、次年度に繰り越さざるを得なかった現地調査の実施、英国図書館からの地図のGIS化、収集した資料の分析を進め、最終報告書作成のための研究を推進する。
|
Research Products
(9 results)
