2015 Fiscal Year Annual Research Report
南北朝~隋代における造像銘の調査及び史料集成とその総合的研究
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15H03252
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
佐藤 智水 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (40116463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 晶子 龍谷大学, その他部局等, 研究員 (00115601)
長谷川 岳史 龍谷大学, 経営学部, 教授 (00309105)
神塚 淑子 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (20126030)
岡田 至弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30127063)
宮崎 洋一 広島文教女子大学, 人間科学部, 教授 (50258290)
市川 良文 龍谷大学, 文学部, 准教授 (70440881)
北村 一仁 龍谷大学, その他部局等, 研究員 (60748028)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東洋史 / 仏教史学 / 造像銘 / 地域社会 / 女性の造像 / 邑義 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は、3回の海外調査を実施した。 ①7月19日~22日、韓国国立中央博物館の要請による、当館所蔵の中国南北朝~唐代仏教造像碑の調査。②8月1日~11日、中国陝西省、四川省での造像銘の調査。③2月27日~3月7日、中国山東省、河北省、陝西省での仏教造像銘の調査。①②については9月21日に海外調査報告会を開き、未紹介史料の報告、及び調査の成果と課題を論議した。また①については、2015年12月刊行『中国造像碑』(韓国中央国立博物館編)に、各造像碑銘文の解読、用語解説、考察を執筆し、その韓国語訳が掲載された。この日本語本文については、28年度中に発表する。 目録作成作業として、『北魏石刻造像銘目録初稿』を脱稿した。28年度前半に刊行予定。 全体研究会を1回開催し(6月24日、龍谷大学大宮学舎白亜舘)、石松日奈子(研究協力者)「安徽省博物館所蔵咸平寺出土北斉造像碑について」の報告について、6世紀の安徽省造像の地域性について論議した。 仏教石刻研究会として、銘文解読と収集史料の整理をすすめた。前半期は特に集中して、故小川貫弌博士所蔵の1千余りの「龍門石窟拓本」の解読・整理を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体として「おおむね順調」だが、本音のところはもう少し進展できたという思いはある。 本科研研究の目標の一つは、新出土史料の早期把握と、未紹介史料の発掘であるが、ともに困難を極めた。新出土造像の紹介については河南省臨ショウ(サンズイ+章)県で出土した大量の石仏の早期展示など、近年改善されつつあるが、地方の博物館や文物管理所所蔵文物については、外国人(とりわけ日本人)については頑迷をきわめるほど公開を拒否される。或は、仮に認められても懐中電灯を照らしての観察や写真を禁止される。今年度の調査では陝西省富平県文廟博物館の調査は12年で5回目の訪問により、ようやく本格調査が実現した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の韓国での調査は、韓国国立中央博物館からの要請で未公開の造像碑を調査したもので、想定以上の成果を生んだ。中国の金銅像・単独石像・大型造像碑は、第二次大戦前後に文物ブローカーとコレクターによって、世界中に広がって所蔵されており、その把握については、美術史研究者に頼る必要性を実感した。来年度以降は、美術史や博物館学専門家の協力をえながら、未公開史料の把握に努め、調査にこぎつけたい。
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Research Products
(15 results)