2019 Fiscal Year Annual Research Report
戦前・戦中期における華中・華南調査と日本の中国認識
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15H03253
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
本庄 比佐子 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (50106639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 雅生 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (30151905)
久保 亨 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (10143520)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中国近現代史 / 中国近代社会経済史 / 華中調査 / 華南調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
戦前・戦中期に台湾総督府、台湾銀行、満鉄調査部をはじめとする日本の統治機構、企業、研究調査機構などが行った華中・華南調査に関する分析をまとめるとともに、当時、日本人が中国社会をいかに把握していたか、さらにそのような認識が今日の対中観にいかなる影響を与えているか、という問題にまで考察を深めることができた。その成果は、シンポジウム「戦前日本の華中・華南調査」と論文集『戦前日本の華中・華南調査』(東洋文庫、2021年)によって公表され、当該分野の学術研究の発展に資すものとなっている。 早くから華南地域に注目し,1910年代以降,本格的に調査活動を展開したのは台湾総督府や台湾銀行であった。また上海を拠点に中国ビジネスや日中関係に関わる人材を養成した東亜同文書院,同じく上海にあって日系企業が自ら組織した日本人実業協会(上海日本商業会議所の前身)も,華中南地域に関する情報をまとめ,提供していた。しかし1920年代半ばから30年代半ば頃まで,台湾総督府や台湾銀行による華中南調査は減退する。 その後,1930年代半ば以降,当初は中国経済の活況に刺激されて,さらに1938年以降は日本軍の占領地統治に協力し,そこから新たな利益を得ようとする目的の下,満鉄や興亜院による大規模な華中南調査が展開されるようになり,台湾銀行の調査活動も再び積極化した。1930年代末から40年代初めにかけての台湾銀行による華中南調査は,日本軍の占領地統治のための具体的な方策を探った点において,満鉄や興亜院の調査と基本的に一致するものであった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(24 results)