2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction designs of keyhole shaped burial mounds reconstructed from 3D scanning data
Project/Area Number |
15H03265
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新納 泉 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (20172611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 敦 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (00238560)
寺村 裕史 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 助教 (10455230)
光本 順 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30325071)
野崎 貴博 岡山大学, 埋蔵文化財調査研究センター, 助教 (40284054)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 前方後円墳 / 三次元計測 / 設計原理 / 前方後方墳 / 佐古田堂山古墳 / ドローン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 当該年度に実施した最も中心的な成果は、岡山市佐古田堂山古墳の後円部の三次元計測である。樹木の伐採や撤去などに予想以上の資金と労力を要したが、ほぼ理想的な計測を実施することができた。また、測量業者との連携もスムーズとなり、安定した形で納品された計測データを使用できる条件が整った。設計原理の本格的な検討は、次年度の前方部の計測を経てのこととなる。 (2) 昨年度までに実施した、古墳時代前期の小規模前方後円墳の三次元計測結果をまとめる作業を実施した。まだ、この時期の小規模前方後円墳の設計原理を完全に読み解くまでには至っていないが、墳形の変化のプロセスをある程度整理することができた。今後は、共同研究者による別の研究課題ではあるが、岡山市津倉古墳の調査成果や、倉敷市楯築弥生墳丘墓の三次元計測との比較検討を行う見通しが得られた。 (3) ドローンによる三次元計測のための準備を進めた。デモ飛行への立ち会いや、遺跡での予備的計測を行っており、課題が明確となってきたため、次年度に地上レーザー計測と平行したドローンによる計測を実施できる条件が整った。対象は熊本県岩原双子塚古墳を予定している。 (4) 前方後円墳の設計原理について、畿内や吉備の大型古墳にとどまらず、中小規模の古墳や地方の古墳について検討すること、および前方後方墳についても手がかりを得ることを大きな目的としているが、いずれも大きく研究は進んでいるが、確定的な結果を得られるまでには、あと少しの作業が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資金や地権者との交渉などの問題で、佐古田堂山古墳の三次元計測が1年度分ずれ込んでいるが、次年度で完了の予定である。地方における設計原理の検討は、段築が良好であると予想した古墳が計測の結果、必ずしもそうではないことが明らかになった。次年度の熊本県内の古墳で成果を期待したい。岡山市津倉古墳の三次元計測とその後の発掘調査は、共同研究者の別の研究課題によるものであるが、きわめて良好な段築の状況が明らかになり、小規模古墳の設計原理を解明できる可能性をもつ例として次年度の研究の課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
佐古田堂山古墳の三次元計測を完成させることが大きな課題である。下草や樹木の伐採にかなりの予算を必要とするために、他の活動に多少影響が出てきている。時間的な余裕をもって計画を推進することや、自力による伐採など、必要経費の削減などに努め、計画を完遂させる予定である。ドローンを用いた三次元計測については、計画段階では可能性にとどまっていたが、現実化させることが可能となった。単なる実施にとどまらず、精度検証などをおこなうことにより、今後の適用の可能性を探りたい。
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Research Products
(1 results)