2016 Fiscal Year Annual Research Report
New Aspects of Kofun Period and Archaeological History of Japan from the results of survey on Gowland Collection
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15H03270
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
一瀬 和夫 京都橘大学, 文学部, 教授 (70460681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 章司 大手前大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00210162)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 教授 (20183577)
佐々木 憲一 明治大学, 文学部, 専任教授 (20318661)
諫早 直人 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (80599423)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 考古学 / 古墳 / 日本史 / 近代史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大英博物館所蔵ゴーランド・コレクションの基礎的な資料調査の成果と新知見をもとに、レーザー3次元計測や科学分析など新たな分析手法を活用し、国内関連資料との総合的な比較研究を進め、横穴式石室や、武具、馬具、須恵器などの遺物の評価、古墳の変遷過程の検討などから古墳時代研究に新展開をもたらす。同時に、膨大な量に及ぶゴーランドの記録書類の資料化を進め、遺物とリンクさせた総合的な検討をおこない、ゴーランドの調査・研究手法や当時の日欧における考古学史的な再評価するものである。さらに、これまでの共同調査・検討を通じて構築した、大英博物館をはじめとする英日両国を中心とする研究諸機関と研究者の協力関係を推進し、パブリック・アーケオロジーの視点から、研究成果の国際的な発信をはかることを目的とする。 本年度は、大英博物館所蔵ゴーランド古墳資料の悉皆調査とゴーランド文書・記憶の調査研究を引き続きおこない、出土地、器種などの基礎的情報を確定した。それらをもとに現在掲載される大英博物館のHPの作成基本データを提供した。大英博物館の調査では武装・馬装復元の基礎情報にかんする調査・記録し、金属器関係の博物館での調査は終了した。 得られた研究成果の発信として、本年までの調査成果をもとに、鹿谷古墳群の総合的な研究成果報告書の原稿をほぼまとめた。京都橘大学大学院研究論集には玉類の報告、本グループの作成発行物はニュースレターを2冊と兵庫県白鳥塚古墳・山本古墳群の報告書を作成した。 研究の公開の一つとして、英国の研究協力者であるサイモン・ケイナーを招聘し、公開ワークショップ「大英博物館所蔵ゴーランド・コレクション調査プロジェクト(京都編)」をキャンパスプラザ京都でおこなった。また、世界考古学会議第8回京都大会と日本考古学協会においても学会発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は4カ年計画であり、おおきく5項目ある研究の課題は以下に記すように、半分は目処がついたと言える。大幅に遅れ気味の4の学史資料の検討をのぞいては軌道に乗り、きわめて順調である。 1、大英博物館所蔵ゴーランド古墳資料の悉皆調査の発展、検討がある。現地での調査は玉類と須恵器の残調査があるが、平成29年中に終了する。2、ゴーランド文書・記憶の調査研究の英国調査も同様である。3、新知見の古墳研究への活用はニュースレター等でその成果を順次、発表している。4、ゴーランドをめぐる学史資料の検討は遅れ気味であるが、平成29・30年度に集中的におこなう予定である。5,大英博物館ほか日英研究機関との共同による研究成果の活用・公開・発信活動は大英博物館のホームページ掲載など、軌道に載っている。これらの成果を、欧米の研究者・一般市民にも理解できる形で情報発信するが、今年度は京都でのワークショップが実施できた。このように、英国での調査はおおむね終了しており、得られたデータの活用と公開、報告書作成を残す状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の大きな課題の5項目のそれぞれ具体的な方策は以下の通りである。 1、大英博物館所蔵ゴーランド古墳資料の悉皆調査は現地での調査においては玉類と須恵器の残調査をおこなう。鹿谷古墳群の報告書作成を進める。2、ゴーランド文書・記憶の調査研究の英国調査の残りも同時におこなう。3、新知見はニュースレター、紀要等でその成果を順次おこない、周知をはかるとともに、英文作成にもとりかかる。4、ゴーランドをめぐる学史資料は国内調査機会を増やしそれら検討を集中的におこなう。5,大英博物館ほか日英研究機関との共同による研究成果の活用・公開・発信活動は、まず大英博物館のホームページの充実し、大英博物館での常設展示にも反映できるように互いに検討する。一般への公開として、引き続いて講演会ないしシンポジウムを開催する。 これらについてうち、1と2はほぼ目処がついた状況である。5は軌道に乗りつつある。3は英語圏での活用・普及が遅れ気味であるが、これまで作成した日本文を吟味、利用していく。4は国内調査とそれにともなった一般周知がかなり遅れており、3・4に研究の重点を置くように留意したい。
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Research Products
(6 results)