2015 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-disciplinary study of sciences and Sven Hedin in modern Japan using newly found pictorial materials
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15H03275
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 和子 京都大学, 文学研究科, 教授 (50155115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 一晴 京都大学, 文学研究科, 教授 (10293929)
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
木津 祐子 京都大学, 文学研究科, 教授 (90242990)
池田 巧 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90259250)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地理思想・方法論 / 地理学史 / ヘディン / チベット |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ストックホルムの民族学博物館に所蔵されている資料を調査した(杉浦、松田、水野、木津、池田、協力:Håkan Wahlquist氏(ヘディン財団))。ヘディンの原資料(スケッチ、新聞記事のスクラップブック、フィールドノート、地図の下図など)の閲覧と複写、撮影を行った。京都大学所蔵のヘディンの絵画模写作品の原画の所在を確認し、現存するものについては、記入されたメモの筆跡を照合した。模写60点のうち、49点の原画を確認できた。 2.チベット調査を行った(池田)。ラサ、シガツェ、ギャンツェでヘディンが踏査したルートの確認とスケッチした地点と事物を比定し、写真を撮影した。地形や風俗、建物等の現況調査ならびに民族誌・チベット史等に関する文献資料を閲覧・収集した。チベット寺院内陣の様子、寺院の中庭、建物、衣装の装具、武器などで、ヘディンの描いたものと同じあるいは同種のものを確認できた。 3.ヘディンの京都滞在期間中の交遊資料の調査を行い、鹿子木孟郎夫人の日記や知人名簿、新聞記事を収集した(木津、杉浦)。鹿子木夫人の明治41年の日記に、鹿子木がヘディンの歓迎行事で案内役を務めたこと、模写に画学生たちが鹿子木の自宅に来たことが記されていることを確認できた。また、近代学術史・京都洋画史・チベット史・探検史などの関係文献の収集と整理を行った(松田、水野、木津、池田、杉浦、協力:平野重光(元京都市立美術館学芸部長))。 4.ヘディンとチベットにかかわるシンポジウムおよび企画展の日程や内容を検討し、準備を進めた(全員)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
模写作品と原画照合作業および、チベットでの現地・現物比定という調査の基盤部分を順調に遂行できた。鹿子木夫人の日記や知人名簿等の未公開資料を入手できたことも、今後の調査・分析に寄与する。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ヘディン財団のHåkan Wahlquistの来日に合わせて開催するシンポジウムに向けて、関連分野(近代国際政治、チベット観の需要と変遷)の専門家を招いた研究会を実施するとともに、最終年度の研究報告書の刊行を準備する。 2.ストックホルムの民族学博物館ならびにヘディン財団との交渉を継続しつつ、最終年度に開催する企画展の準備を進める。
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Research Products
(7 results)