2016 Fiscal Year Annual Research Report
中国における差別問題の「発見」と法的対応――社会実態、理論、制度、運用上の特徴
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15H03285
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鈴木 賢 明治大学, 法学部, 専任教授 (80226505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 昌之 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター, 主任調査研究員 (60450467)
高見澤 磨 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70212016)
宇田川 幸則 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (80298835)
阿古 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80388842)
佐藤 千歳 北海商科大学, 商学部, 准教授 (80708743)
石井 知章 明治大学, 商学部, 専任教授 (90350264)
李 妍淑 北海道大学, 法学研究科, 講師 (90635129)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 差別 / 障害者 / 宗教 / マイノリティ / NGO / 疾病 / LGBT / 人権 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下のようなシンポジウム、講演会、ワークショップを開催して、情報収集、知見の深化、討論を行い、本研究課題を推進した。 1)天安門事件27周年記念王丹講演会(2016年6月3日、明治大学)、2)中国差別問題ワークショップ 董彦斌「談談十年来的中国影響性訴訟:反岐視案件為重点」、万延海「中共特殊人群専項組管控辺縁麻煩群体」(2016年8月2日、明治大学)、3)中国差別問題ワークショップ 高薇「女性リーダーが中国農村のジャンダー平等化で果たす役割について」、劉晗煦「中国における障害者に対する司法的正義の現状と挑戦」(2016年9月25日、明治大学)、4)文化大革命50周年シンポジウム「文革とは何だったのか」 徐友漁、矢吹晋、宋永毅の各氏の講演。5)段宏慶氏講演会「翼を折られた法治の守護者:中国弁護士の困難な状況に寄せて」(2016年11月16日、明治大学)。 さらに、研究分担者の佐藤千歳、李妍淑が中国浙江省を訪問し(2016年9月)、キリスト教信者への差別の状況を照査した。さまざまな差別問題が深刻化する中、人権派弁護士への弾圧、差別問題を扱うNGOへの締め付け、法的に問題化することへの生の妨害により法的に争うルートが働いていないことが明らかとなった。結社の自由を権力が恣意的に制限し、弁護士を権力的に統制する体制の下での差別問題の解決がいかに困難であるかが、浮き彫りになった。こうしたレジームのもとでは法の効果が必然的に限られたものとならざるを得ない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集、情報整理、実態把握はほぼ予定通り進んでいる。中国のキーとなる団体、研究者、実務家との人的なネットワークも形成されてきた。最終的な研究取りまとめに向けて発表の媒体、スケジュールが未確定であるが、来年度にはめどを付けたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの作業を継続するとともに、現地調査を追加的に実施する。また、研究者や実務家、活動家を招聘して、ワークショップやシンポジウムを開催して、さらに情報のアップツーデートを図り、分析枠組みの再検討を進める。
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Research Products
(29 results)