2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H03309
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松里 公孝 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20240640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大串 敦 慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (20431348)
廣瀬 陽子 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (30348841)
長縄 宣博 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 准教授 (30451389)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ウクライナ / クリミア / ドンバス / 内戦 / 非承認国家 / ロシア |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年11月14日、2016年2月7日に慶応大学三田キャンパスで研究打ち合わせ会議、研究会を行った。第1回では松里と廣瀬がクリミアと東部ウクライナで夏季に行った調査に基づき報告した。第2回では大串がウクライナ危機がロシアの政治体制にもたらした影響について、長縄がクリミア・タタールについて報告した。 現地調査としては、8月に松里がクリミアと東部ウクライナで、9月に廣瀬がクリミアで、2-3月に藤森がドンバスと東部ウクライナで現地調査を行った。昨年、「本年度の実施計画」に書いたように、分離地域の研究をすることが課題だったので、重要な前進があった。特に、藤森がウクライナ政府の許可を得て人民共和国領域に入ったのは重要である。日本以外の研究者は、政治的また安全上の理由から分離地域には入らない傾向があるので、今年の前進は日本のウクライナ研究の優位になりうる。 委託研究としては、ウクライナ27州の知事および州議会議長(2002年以降)の伝記調査をキエフの研究者(戦略研究所「新しいウクライナ」職員)に委託し、年度中に5週の調査結果を受け取って支払いも済ませた。 研究発表としては、ICCEES世界大会(幕張)において本部企画やパネルを組織した。情勢を反映してウクライナ関連の企画が多い世界大会であったが、本件急をそれを牽引した。また、2016年のASEEES(ワシントンDC)に向けて、本研究から2パネル提案した。 研究成果を日本語論文集にするため、NHK出版と交渉を始め、第2回研究会にも来てもらった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載した通り、研究会、現地調査、委託研究、研究成果の国際的発表、日本語での出版準備のすべてにおいて計画通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究会、現地調査、委託研究、研究成果の国際的発表、日本語での出版準備のすべてについて、バランスをとりながら、計画通り進める。委託研究が進むにつれ、謝金の支払いが多額になってゆくので、海外での調査、研究発表を圧縮する必要がある。 ウクライナ検察庁がNHKを刑事訴追したように、ウクライナ政府は外国人をクリミアやドンバスに行かせない方針である。これが現状における最大の問題だが、我々にはどうしようもない。
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Research Products
(19 results)