2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03309
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松里 公孝 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (20240640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大串 敦 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (20431348)
廣瀬 陽子 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (30348841)
長縄 宣博 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 准教授 (30451389)
藤森 信吉 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 境界研究共同研究員 (10400053)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ウクライナ / クリミア / ドンバス / ユーロマイダン革命 / ロシア / 非承認国家 |
Outline of Annual Research Achievements |
「研究目的」では、研究の実証性、多面性、不偏不党性を掲げたが、おおむね、その趣旨に沿った活動が展開できた。 2016年8月12日、北海道大学において、12月24日、東京大学において研究打ち合わせ及び研究会を行った。現地調査は、松里が8月27日から9月16日にかけてキエフ、オデッサ、マリウポリで、長縄が9月4-13日にクリミアで、大串が2017年2月9-20日にキエフで行った。松里の現地調査の結果の一部は、Demokratizatsiya 2017年4月号で公刊される。委託研究は、ウクライナのキエフ市、ドネツク州、ルハンスク州、ジトミル州、オデッサ州につき、エリートの伝記データが収集され、そのほか100名の中央政治家、高級官僚の伝記が収集された。クリミア・タタールのハッジ問題、捕虜虐待と欧州人権裁判所の関係など、全く新しい論点にも取り組み始めた。 海外での研究発表は、2016年9月24-25日に上海華東師範大学で開催された第6回スラブ・ユーラシア研究東アジア・コンフェレンスにおいて、「ユーラシア地域大国(ロシア,中国,インド)の発展モデルの比較」(田畑伸一郎代表)との共催で1パネルを組織し、藤森が報告した。11月17-20日にワシントンDCで開催されたASEEES年次総会で2パネル(地方の視点からの動乱および研究方法論について)を組織し、松里と大串が報告した。そのほか、内外で活発に業績を発表した。 研究期間終了後の論文集の刊行に向けて、NHK出版と協議を始めた。担当者は研究会にも参加している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
メンバー5人のうち3人の現地調査、委託研究の進展など、動乱の開始後、政治化したウクライナ研究の実証的水準を高めるという最初の目標にかなった活動が展開されている。 アメリカ、中国など海外開催の学会でパネルを組織し、研究成果の多くも海外で公刊されており、国際的に高く評価されている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるので、予算の限界を考慮しつつ、最大限の成果を挙げる。たとえば27リージョンすべてについてエリートの伝記を委託調査することは、すでに予算上難しくなっているので、次のプロジェクトへの引継ぎ等検討する。 ウクライナ政府の妨害により人民共和国領域で現地調査できない状況があるので、スカイプインタビューなど代替措置をとる。 研究発表が海外に偏っているので、日本語の論文集を必ず出すため努力する。
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Research Products
(22 results)