2015 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・太平洋秩序のトランスナショナル・ヒストリー-「文化国際主義」の挫折と再生
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15H03320
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中嶋 啓雄 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (30294169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 豊 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (00278748)
廣部 泉 明治大学, 政治経済学部, 教授 (80272475)
小倉 佳絵 (高光佳絵) 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (10334591)
三牧 聖子 関西外国語大学, 外国語学部, 助教 (60579019)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際関係史 |
Outline of Annual Research Achievements |
予定どおり、研究会を3回開催した。 第1回目は7月中旬に研究代表者の勤務校・大阪大学で行った。この初回の研究会では、研究代表者が全体的な方向性(主な主題、対象とする時代)を説明した後、各人の役割分担を検討した。また、当該年度の暫定的な予定について確認した。さらに各参加者から自らが取り上げたい事象や団体、人物の紹介があり、続いて議論を行った。 第2回目は、オーストラリアから研究協力者を招聘して、同じく大阪大学において開催した。研究協力者の報告は、1910年代から両大戦間期にかけての国際連盟保健機関(LNHO)の東アジアにおけるガバナンスを、当該地域の専門家集団の役割にも焦点を当てるものであった。また、アメリカの社会科学研究評議会の比較政治委員会で議論された近代化論についても、報告が行われた。 第3回目は、大阪大学東京オフィスにおいて開催した。研究組織外の若手研究者による日米学生会議および日比学生会議についての報告と、研究代表者による「新渡戸宗」派知識人の東アジア秩序観とアメリカについての報告が行われ、質疑応答が続いた。 文献・史料の収集に関しては、各人、割り当てられた経費を用いて、関連の文献を購買し、研究分担者の一人がニューヨーク近郊のロックフェラー・アーカイブ・センターへ出張して、一次史料の閲覧・収集を行った。研究代表者も国立国会図書館憲政資料室において、鶴見祐輔関係文書等の史料を閲覧・収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり研究会を3回開催して、研究代表者や研究分担者、さらに研究組織外の若手研究者が報告を行ったことは、2年目に向けての順調な滑り出しとなった。 本研究課題が力点を置いている海外との連携についても、オーストラリアより研究協力者を招聘できたことは大きな成果であった。 また、研究分担者の一人が、アメリカ合衆国において一次史料の収集を行ったことは、今後、全体の研究にもつながるものと思われる。 さらに研究代表者も国立国会図書館でいくつかの貴重な一次史料を発掘・収集でき、国内においても史料収集の道筋がついたのも収穫であった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も同様に年3回程度、研究会を開催する予定である。 初回はアメリカ合衆国から研究協力者を招聘して、6月下旬に首都圏で開催することが決定している。主題は未定だが、スポーツ(オリンピック)と国際政治を一つの候補として検討中である。 第2回目、第3回目の研究会では、これまでに報告を行っていない研究分担者が自ら取り上げる主題について、報告する。アジア太平洋地域秩序の形成における国際的民間団体の役割や地域専門家への外交への参与にも光が当てられる予定である。また、アジア研究を専門とする研究組織(主としてアメリカを専門とする研究者により構成されている)外の研究者に打診して、知見の提供を受けるつもりである。 文献やアメリカ合衆国等、海外における史料の閲覧・収集、および国立国会図書館憲政資料室の松本重治関係文書、樺山愛輔関係文書といった一次史料の収集についても引き続き実施していく。
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Research Products
(14 results)