2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Transnational History of Asia-Pacific Order: The Setback and Regeneration of "Cultural Internationalism"
Project/Area Number |
15H03320
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中嶋 啓雄 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (30294169)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 豊 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (00278748)
小倉 佳絵 (高光佳絵) 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (10334591)
三牧 聖子 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (60579019)
廣部 泉 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (80272475)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | トランスナショナル・ヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はまず5月に研究協力者のJon Davidann氏(ハワイ・パシフィック大学)を招聘して、第1回研究会を開催した。Davidann氏はアジア・太平洋地域における知的交流史の著書The Limits of Modernization: Aerican and East Asian Intellecutals Create Modernity, 1860-1960の刊行を準備しており、今回はその抜粋を報告してもらって、国内の本科研費メンバーとの間で熱の込もった議論が展開された。 第2回研究会はTomoko Akami(赤見友子)氏(オーストラリア国立大学)を招聘し、研究分担者・高光佳絵氏の科研費プロジェクトと合同で開催した。Akami氏は"The Rise and Fall of Experts in Modern International Politics: From a Perspective of Experts in Asia for the League of Nations and Trans-Pacific Relations"と題する報告を行い、当該地域に植民地を保有する諸帝国の影響力が残存するアジア・太平洋のガバナンスにおける諸専門家(experts)の役割を再検討した。太平洋問題調査会(IPR)中国支部が第2次大戦期に果たした役割を検討した他の報告と併せて、議論が深まった。Akami氏は大阪大学グローバルヒストリーセミナーでも講演し、「帝国間(inter-imperial)」・「植民地間(inter-colonial)」という視点からアジア・太平洋地域のトランスナショナル・ヒストリーを考察することの必要性を訴えて、研究代表者を含むフロアの質疑に応答した。 全体として、海外の研究協力者から刺激を受けつつ、研究課題への理解が深まった一年であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年目にして、海外在住の3名の研究協力者全員を招聘し、科研費プロジェクトのメンバー以外の知見提供者らも一緒にワークショップ形式の研究会を開催することができた。 また、研究代表者や研究分担者も各自、日本国内やアメリカ合衆国で一次史料や二次文献を収集し、年3回程度、研究会合を催し、個別に著書・論考を発表して、全体として当該研究課題への理解が深まっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は12月に3名の研究協力者を海外から招聘し、研究代表者はもちろん、研究分担者も全員出席の上、2日間にわたり関西か首都圏で国際ワークショップを開催する。また、その際、全員が英文ペーパーを準備する予定である。 それらの英文ペーパーをたたき台にワークショップで議論をさらに深め、コンタクトを取っている海外(英語圏)出版社の編集者に共著刊行の趣意書と原稿の一部を提出し、英文研究書の刊行に向けて準備を進める。
|
Research Products
(17 results)