2015 Fiscal Year Annual Research Report
多中心化するグローバル・ ガバナンスと国際機関によるオーケストレーションの可能性
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15H03321
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西谷 真規子 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (30302657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 高敬 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00247602)
三浦 聡 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10339202)
内記 香子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (90313064)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グローバル・ガバナンス / 国際関係論 / 国際組織 / 国連 / EU |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の27年度の前半は、研究会にてオーケストレーション概念の議論を行い、概念の定義や操作化の問題点等を中心に検討した。同時に、各人が事例に関する文献調査を中心に、聞き取り調査を適宜加えつつ、研究会にて共有した。 後半は、事例分析を続けつつ、各種学会で中間発表を行った。西谷は、9月に行われた国際法学会研究大会にて「多中心的グローバル・ガバナンスの調整過程――腐敗防止ガバナンスにおけるオーケストレーションの可能性」と題する報告を行った。また、11月に行われた国際政治学会では「多中心化するグローバル・ガバナンスにおける国際機関の役割」と題するパネルを企画し、山田が「水資源管理における目標志向型ハイブリッド・ガバナンスの可能性」、内記が「持続可能な食と農業分野におけるオーケストレーション:国際機関とプライベート・アクターの関係に注目して」と題する報告を行い、三浦が討論を行った。さらに、山田、内記、西谷は、国際研究学会(International Studies Association)の年次大会(Annual Convention, Atlanta, March 16-19, 2016)にて、 “Would Orchestration Make a Difference in Promoting Norm Compliance, Goal Attainment, Socialization or Synergy among Multiple Actors?”と題するパネルを組み、山田は「企業と人権」、内記は「持続可能な生産」と貿易、西谷は腐敗防止の領域におけるオーケストレーションの取り組みについて論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、初年度は文献および聞き取り調査によるイシュー・エリアの概要把握と理論構築のためのケース選択が主たる達成目的で、成果の中間報告は次年度の予定であったが、実際には年度前半に事例分析が相当に進捗し、年度後半には二つの学会(うち一つは国際学会)でのパネル企画・報告を含め、三つの学会で報告を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、オーケストレーション論の創始者であるケネス・アボットおよびダンカン・スナイダルを招聘して国際ワークショップを開催する。また、予定を凌駕するスピードで研究が進んでいるため、山田と西谷は次々年度の国際研究学会で最終成果報告を行うべく国際パネルを企画中であり、それに合わせて二本目の論文を準備している。また、ワークショップの成果を踏まえた編著の出版も計画している。
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Research Products
(6 results)