2018 Fiscal Year Annual Research Report
経済理論の大衆化から経済政策の形成へ:テキストマイニングを応用した実証研究
Project/Area Number |
15H03330
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
下平 裕之 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (30282932)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小峯 敦 龍谷大学, 経済学部, 教授 (00262387)
福田 進治 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00322925)
古谷 豊 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (00374885)
舩木 恵子 武蔵大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00409369)
本郷 亮 関西学院大学, 経済学部, 教授 (80382589)
松山 直樹 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (80583161)
金井 辰郎 東北工業大学, ライフデザイン学部, 教授 (90332022)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 経済理論 / 大衆化 / テキストマイニング / 実証研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度1年間で4回の経済思想研究会を開催した。平成30年度の研究実績として、テキストデータ解析手法の検討、資料の分析・収集、研究成果の刊行、国内外における学会報告を挙げることができる。 1 解析手法の検討:近年の社会科学におけるテキストマイニングに関する体系的な方法論に関するサーベイを行うとともに、それらの知見を踏まえた経済学史研究へのテキストマイニング適用の意義と方法を明らかにした。特にテキストに対する量的分析と質的分析とを組み合わせた「混合アプローチ」を社会科学におけるテキストマイニングに適した手法として評価し、これに加え経済学史に固有の方法論を視野に入れ、「柔らかな作業仮説」「機械的な量的分析」「質的カテゴリーを加えた量的分析」「原典による引証」という4段階からなる分析手法を提案した。 2 資料の分析・収集:経済思想研究会において各研究者が分担し、主要な経済学者の一次文献・未公刊資料等の収集、テキストデータ化、分析を行った。特に今年度は次年度以降最終成果としての書籍出版に向け、各研究者の専門領域に関連した文献・論文等の収集、分析を重点的に行った。また各研究者がテキストマイニングソフトを用い基礎的な分析が行えるよう、分析ソフトに関する研修を行った。 3 研究成果の刊行・学会報告:1で述べた4段階の分析手法を経済学者の言説に関するテキストマイニング分析に適用した論文を刊行した。また研究分担者が国内、海外において本研究テーマに関連した学会報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主要な経済学説に関するデータ収集や分析が進行するとともに、経済学史研究へのテキストマイニング適用の意義と方法を明らかにし、それを具体的に適用した論文を刊行することができた。また最終成果である書籍の出版に向けた準備を進める環境も整いつつあることから、本研究課題は概ね順調に推移していると判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、経済学者のオリジナルな言説と、新聞書評・教科書・通俗書で変容された語彙を比較する。様々な多変量解析の手法を組み合わせ、さらにテキストマイニングを統合した質的・量的分析を試みる。 またこれまでの研究成果を踏まえ、経済学史研究にテキストマイニングを導入する際の方法論や事例を取りまとめた書籍の出版に向けた準備を開始する。テキストマイニングを経済学史に導入する場合の方法論、テキストマイニングの実践マニュアル、古典派から近代までのイギリスの経済思想がどのように政策担当者や大衆に普及していったかについての事例等を主な内容とする。本年度は執筆担当者による内容報告、それに基づいた構成の検討等を行い、これらを踏まえ2020年度の出版を目指す。
|
Research Products
(12 results)