2017 Fiscal Year Annual Research Report
都市圏域設定と都市圏データベースの構築及びそれらに基づく都市の実証分析・政策分析
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15H03344
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
金本 良嗣 政策研究大学院大学, 政策研究科, 特別教授 (00134198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 良平 岡山大学, 経済学部, 教授 (20172463)
高橋 孝明 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (30262091)
佐藤 泰裕 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (30332703)
中島 賢太郎 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (60507698)
森 知也 京都大学, 経済研究所, 教授 (70283679)
桐村 喬 皇學館大学, 文学部, 助教 (70584077)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 都市雇用圏 / 地域就業圏 / 都市集積 / 地域成長力 / 地域情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年国勢調査に基づく都市雇用圏の設定については、都市圏設定の検討を行い、原案の作成を行った。 雇用圏に基づかない新しいアプローチの都市圏については、人口密度と空間的連続性のみを条件として都市圏を導出した。また、市町村等行政区ポリゴンを用いた近似も行い、近似都市圏をWebサイトに公開準備中である。 都市圏統計データベースは、2009年の経済センサス基礎調査から、産業中分類別の事業所数・従業者数を大都市雇用圏単位で集計し、都市雇用圏Webサイト上に公開した。地域就業圏をベースとしたものについては、2010年国勢調査の通勤流動や昼夜間人口比率など基準として設定を行い、人口、就業者数、課税者所得、収入額などのデータベースを整備した。 都市圏データを用いた実証分析:①大卒者と高卒者の地域間分布と移動パターンに関する研究については、学校基本調査のデータを用いて大学進学による地域間人口移動の様子を調べ、さらに、特定の世代の大卒者の地域間分布と他の世代の大卒者および高卒者の地域間分布の間の関係を分析し、分析結果をYasuhiro Sato and Masaaki Toma(2017)にまとめた。②都市雇用圏データベースを用いて、都市雇用圏レベルの住宅供給弾力性の推定を行った。日本においては、アメリカに比して住宅供給弾力性が全体的に極めて低いことなどが示された。③人口密度ベースの都市圏を用いて、輸送費と経済集積の空間スケールの関係について理論の実証を行った。また、都市の規模と空間パターンに関する実証分析、および、市区町村ポリゴンによる近似都市圏を用いて都市間貿易に基づく地域経済圏を導出する研究を行った。④地域就業圏に基づく実証分析については、広域圏のデータを活用した地域産業連関表に基づいて消費の流出入の効果を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の2017年度計画では、①新しいアプローチに基づいた都市圏設定を行い、Web上で公表する、②2015年国勢調査を用いた都市雇用圏設定の検討を行う、③都市雇用圏及び地域就業圏をベースとした統計データの拡充を行い、完成分をWeb掲載する、④昨年度に行った大卒者と高卒者の地域間分布と移動パターンに関する研究を継続し、完成させる。 また、地域就業圏と新都市圏に基づく実証分析を行う、としていた。 現在までの進捗状況は、新都市圏について定義は完成し、それを用いた論文を3編執筆中であり、内1編は公表済み、残りの内2編は7月までにディスカッション・ペーパーとして公開を予定している。また、導出した都市圏は、ディスカッションペーパーの公表とともにWebサイトにて公開を予定している。都市圏データベースについては、2009年の経済センサス基礎調査から、産業中分類別の事業所数・従業者数を大都市雇用圏単位で集計し、都市雇用圏Webサイト上に公開した。地域就業圏ベースのデータについては、2010年国勢調査の通勤流動や昼夜間人口比率など基準として設定を行い、時系列の人口データの整備、公表段階にある。また、2015年国勢調査結果の公表に伴い、新たなデータベースの構築を行いつつ、2018年度の公表に向けて準備中である。都市圏データを用いた実証・政策分析についても、当初予定通り研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は最終年度であるので、2015年国勢調査ベースの都市圏設定を完成させて公表するとともに、都市圏データベースを作成する。また、実証・政策分析については4年間の研究成果をとりまとめる。具体的には、以下の計画である。 都市圏設定:都市雇用圏については、2015年国勢調査を用いた都市圏設定を完成させ、Web上で公表する。なお、都市雇用圏の設定においては研究協力者の西澤明特任教授(東京大学空間情報科学研究センター)の協力を仰ぐ。新都市圏について、メッシュ統計から人口集積を直接求めるアプローチを完成させ、その手法及び設定された都市圏をWeb上で公表する。 都市圏統計データ:2015年都市雇用圏をベースとした統計データを作成し、完成分をWeb掲載する。 都市圏データを用いた実証分析:①都市集積の経済、不経済、②都市圏、地域就業圏の類型化と地域成長力、③高校卒業時の進路選択の3つのテーマについて行っている研究のとりまとめを行う。
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Research Products
(26 results)