2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03351
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
宮川 努 学習院大学, 経済学部, 教授 (30272777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外木 好美 立正大学, 経済学部, 専任講師 (10621964)
滝澤 美帆 東洋大学, 経済学部, 教授 (50509247)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 経済政策 / 経済統計学 / 経済事情 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、公的部門を含む無形資産の延長推計を完成させ、これを(独)経済産業研究所(RIETI)のwebsite(http://www.rieti.go.jp/jp/database/JIP2015/index.html)に掲載した。このデータを利用して、平成28年5月にマドリッドで開かれた第4回World KLEMS Conferenceを行った(報告者は滝澤)。また平成28年9月に開催されたヨーロッパの無形資産プロジェクトであるSPINTAN projectにも出席し、有形資産投資と無形資産投資の補完性についての報告を行った。 さらに、産業別だけでなく、企業レベルのデータを利用した無形資産投資に関する研究成果のワークショップ(H28年12月学習院大学)を行い、「無形資産の市場評価」と「R&D and Product Dynamics」について報告を行った。「無形資産の市場評価」は、平成29年3月にRIETIのディスカッション・ペーパーとして公刊されている。 一方、地域別・産業別生産性データベース(R-JIP database)と社会資本を利用した分析は、「故和合肇教授追悼コンファレンス」(H29年3月宮城県松島)において、宮川が「資源配分の変化に伴う生産性向上と経済政策の役割 -社会資本整備か規制緩和かー」を報告した。この論文も平成29年3月にRIETIディスカッション・ペーパーとして公刊されている。 さらに企業のCorporate Social Responsibility活動に着目し、企業の経営資源という私的な無形資産が環境改善活動という社会的な無形資産にどのように寄与するかという論文「環境分野における経営資源の蓄積と企業価値:環境投資活動から見た実証分析」を作成し、平成29年3月にRIETIのディスカッション・ペーパーとして公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公的部門を含む無形資産投資のデータも研究開始2年目に公表することができ、それを利用した分析もまとめられていることから、本研究はおおむね順調に進展していると言える。 平成28年度は、研究成果を海外で開催される2つのコンファレンスで報告する計画であったが、これについても無事報告をすることができた。また企業レベルのデータを利用した無形資産の分析も進み、平成28年12月に学習院大学で開催したワークショップ「広義の投資が経済に及ぼす効果の検証」研究会では、4本の論文を報告することができた。そのうち3本については、(独)経済産業研究所のディスカッション・ペーパーとして公刊されている。 一方地域別・産業別データと社会資本データを使った分析も、平成29年3月の「故和合肇教授追悼コンファレンス」で報告の後、(独)経済産業研究所のディスカッション・ペーパーとして公刊されている。この分析は、従来型の社会資本に加えて制度的な無形資産である地域レベルの構造改革特区を通じた規制緩和の効果を分析した点で、本研究の趣旨にふさわしいものと考えている。 以上から平成28年度については、データベースの作成、複数の研究論文の執筆と報告があり、充実した研究期間であったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
無形資産を含む公的部門の広義の社会資本については、国際比較を目的としているので、SPINTAN projectのデータを参考にしながら、社会資本と民間資本の比率や、社会資本の中での有形資産と無形資産の比率に関して国際比較を行う。そのうえで、公的な無形資産が、民間無形資産投資や、有形資産も含めた設備投資を誘発しているかを検証し、「地域別の生産性向上要因と社会的資本の寄与」、「無形資産を含む広義の社会資本の国際比較」、「広義の社会資本による民間部門の生産性向上効果」の3つの研究成果を発信する。 平成29年度は、平成28年度に公刊した論文について、更に複数の学会等で報告を行い、研究成果を広く知らせるとともに、論文の精度を上げていく作業を行う。具体的には、「無形資産の市場評価」については、日本ファイナンス学会、日本経済学会秋季大会で報告をする予定である。また「資源配分の変化に伴う生産性向上と経済政策の役割 -社会資本整備か規制緩和かー」については、日本経済学会春季大会で報告を予定している。そして本論文は、徳井信州大学教授が編集する「R-JIPデータベース構築と分析」(仮題、東京大学出版会刊行予定)の1章に組み込まれる予定である。 また「R&D and Product Dynamics」については、(独)経済産業研究所での報告で得られたコメントをもとに、前半期に改訂を行い、(独)経済産業研究所のディスカッション・ペーパーとして公表するとともに、内外の学会での報告を目指したい。
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Remarks |
滝澤美帆 「サービス産業の生産性(下)」, 日本経済新聞朝刊「経済教室」2017年2月16日.
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Research Products
(25 results)
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[Presentation] 無形資産投資と資産収益率2016
Author(s)
滝澤美帆、外木好美、宮川 努
Organizer
「広義の投資が経済に及ぼす効果の検証」研究会
Place of Presentation
学習院大学(豊島区、東京)
Year and Date
2016-12-21 – 2016-12-21
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