2016 Fiscal Year Annual Research Report
An internatinal comparative study on labor market outcomes of highly educated women
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15H03358
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部 由起子 北海道大学, 経済学研究科, 教授 (50264742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 貴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00264581)
高橋 アナマリア 神戸大学, 経済学研究科, 特任講師 (00634635)
大野 由夏 北海道大学, 経済学研究科, 教授 (50598480)
高橋 新吾 国際大学, 国際関係学研究科, 教授(移行) (70445899)
高木 真吾 北海道大学, 経済学研究科, 教授 (10326283)
菊地 雄太 北海道大学, 経済学研究科, 助教 (60782117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高学歴女性 / 研究者 / 教員 / 男女差 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性就業の地域差の理論的・実証的研究は、海外の研究を含めて現時点では未開拓であり、かつ関心の高いトピックである。女性研究者の割合の高い・女性の就業率の高い諸外国との比較研究を通じて、日本での女性活用のための効果的な政策・施策への示唆を得ることも期待される。28年度には、日本での高学歴女性の就業率に対する、教員としての就業の寄与と、その長期的な変化について重点的に検討した。教員(教育部門での専門職)は、日本の大卒女性にとっての典型的な職業であったが、近年、少子化に伴いその需要が減少した。さらにこの需要減少には地域差がある。具体的には、出生率の高い地方部で教員の需要が多く、都市部ではそれが少ない。教員の需要が過去30年ほどの間に減少したことに伴い、高学歴女性が教員として就業する割合も減少した。そしてその傾向は、地方部ほど顕著であった。さらに、教員としての就業は、それ以外の正規雇用と比較して、結婚や出産に伴う離職が少ないこともデータから確認できた。 研究職の就業と給与について、独自に収集した、日本の大学の理系研究者のデータを用いた分析を深化させた(Takahashi, Takahashi, and Maloney (2016))。そこでは、研究職の給与や研究キャリア開始初期の昇進に、研究実績を考慮したうえでも男女差が存在すること、子どものいる研究者といない研究者は同程度の給与を受け取っているが、これは、出産に関するセレクション(研究実績のある女性研究者ほど出産をする可能性が高い)を反映している可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果である論文を、国際学会で複数回、また国内の研究会で報告し、フィードバックを得た。また、国内外の研究者と、その内容について議論し、研究の深化を図った。さらに、論文を改訂し、国際学術誌に投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の拡張・深化と論文の改訂を行なう。具体的には、(1)就業における所得効果の検証、(2)通勤コストと女性就業の関係、(3)学歴と就業率の関係が最近30年の間にどのように変化したか、などに着目して研究を深化させる。そして、研究成果を国際学会で報告する。国際学術誌に投稿・再投稿する。
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Research Products
(9 results)