2015 Fiscal Year Annual Research Report
経済成長を促進する労働市場政策の効果を推定する動学分析
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15H03362
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
佐々木 勝 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10340647)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 教孝 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (80334598)
宮本 弘暁 東京大学, その他の研究科, 准教授 (10348831)
Lin Ching 国際大学, その他の研究科, 准教授 (70582287)
Kuo ChunHung 国際大学, その他の研究科, 准教授 (10647986)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 労働政策 / サーチ＝マッチング・モデル / 確率的動学一般均衡モデル / カリブレーション / ベイズ推計 / 成長戦略 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、サーチ=マッチング・モデルをもとに失業を内生的に取り入れた確率的動学一般均衡モデルを構築すると共に、カリブレーションやベイズ推計の手法から日本経済を描写するモデルを推計することである。そして、成長戦略の中で特に注目されている労働政策を数量的に評価する。具体的な政策として、(1)労働時間規制（ホワイトカラー・エグゼンプション）、(2)労働移動支援助成金、(3)雇用調整助成金、(4)解雇規制である。また、モデルに異質性を導入することで、(1)正規と非正規、(2)男性と女性、(3)若年と高齢者に対する政策効果が異なるのかを検証する。
本研究で注目するトピックは、「雇用のミスマッチ」、「長期失業」、そして「長時間労働」である。それらの問題をモデルで明示するためにサーチ＝マッチング・モデル（サーチ・フリクションを導入した確率的動学一般均衡モデル）を構築する必要がある。３つのトピック全てを導入した理論モデルは複雑になる可能性があるので、各トピックに特化した３つの理論モデルを構築する予定であった。
当該年度はまだ準備期間であり、本研究プロジェクトに直接関係する研究実績はまだない。しかし、研究メンバーはこれまで本研究トピックと関連する研究を続けていたので、関連する業績を多く残した（実績参照）。また、当該年度に研究した内容は、まだ完全ではないが、他の研究者からコメントを頂くために、積極的に国際学会で報告した（学会報告実績参照）。今後、国際学会で得られたコメントをもとに改訂する予定です。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の進捗状況は概ね順調である。「研究実績の概要」に示したように、当該年度に、まだ完全ではないが、多くの研究成果が国際学会にて報告された。また、新たな研究も進んでいる。例えば、研究代表者と研究分担者の宮本氏は、景気変動と正規・非正規労働者間の賃金格差の相関関係について研究を進めている。カリブレーションからモデルを推計し、景気変動のショックが賃金格差に与える影響を数量的に検証した。2016年中に完成する予定です。更に、今後、ベイズ推計から同様の分析をすることで統計的な分析を加えた研究にする予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後とも成長戦略に伴う労働政策の効果をマクロデータから数量的に分析する予定である。研究計画に大きな変更はないが、今後、安倍政権が進める「一億総活躍社会」の実現に直結する労働政策の効果を中心に研究を進める予定である。例えば、長時間労働時間の削減であり、同一労働同一賃金に関連する正規・非正規労働者間の賃金格差の縮小を実現するための労働政策を優先的に研究トピックとして取り上げる方針である。
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