2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H03366
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
家森 信善 神戸大学, 社会システムイノベーションセンター, 教授 (80220515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 裕 愛知大学, 経済学部, 教授 (50249330)
濱口 伸明 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70379460)
播磨谷 浩三 立命館大学, 経営学部, 教授 (90347732)
打田 委千弘 愛知大学, 経済学部, 教授 (50305554)
小川 光 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (10313967)
北野 重人 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (00362260)
近藤 万峰 愛知学院大学, 経済学部, 教授 (20362262)
冨村 圭 愛知大学, 経営学部, 准教授 (40547444)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域金融 / 地域経済 / アンケート調査 / 地方自治体 / 金融機関経営 / 地方銀行 / 信用金庫 / 金融システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、既存企業を保護するだけでは地域経済の衰退は止まらず、地域創生のために創発的企業展開を金融面からサポートしていくべきだという問題意識を持って出発した。そこで、地域金融機関の経営や金融行政の側面に焦点を当て、独自性のある金融機関アンケートを実施し、創発的企業展開を実現するための課題を明らかにすることが本プロジェクトの中心的な課題である。 第1に、本年度は、昨年度から準備をしてきたアンケート調査を実施した。具体的には、年度前半に於いては、調査票の質問の精査を行った。そして、2017年1月に全国の金融機関520社の本店向けに調査票を送付した。その結果、2月までに回収できたのが、都市銀行等2行(回収率 33.3%)、地方銀行27行(回収率 42.2%)、第2地方銀行16行(回収率 39.0%)、信用金庫150金庫(回収率 56.6%)、信用組合85組合(回収率 59.0%)の合計280社(回収率 53.8%)であった。類似の調査に比べて非常に高い回収率を達成できた。平成29年度はこの調査を詳細に分析する予定である。 第2に、神戸大学経済経営研究所内に金融システム研究部会を設置して、海外からの報告者や実務家を含めて10本の研究を報告してもらい、研究を深めた。特に平成28年度は、国が信用保証制度の見直しの議論を進めていることに対応して、近畿地方の4つの信用保証協会の代表者に講演に来てもらった。第3に、本プロジェクトで実施した金融機関本店アンケートを補完するために、webによる簡易調査を実施した。第4に、本プロジェクトと経済産業研究所の研究プロジェクトの共同作業として、別途金融機関支店長アンケートを実施した。第5に、こうした中核的なプロジェクトを補完するために、各メンバーがそれぞれの見地から個人研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、予定通り、アンケート調査を実施することができ、十分な事前準備のおかげで、類似のアンケート調査に比べて極めて高い回収率を実現することができた。これだけの数の回答結果に基づいて分析を行えば、金融行政や金融機関経営に対して強いメッセージを発信することが可能になる。また、webを使った補完的な調査結果でも興味深い結果が得られており、それらを公表したところ、メディアの取材や問い合わせ、あるいは意見交換の要請などがあり、社会的にも関心のある成果を上げることができていると考えられる。また、既に得られた成果を使って、東海財務局、北陸財務局、近畿財務局等での講演等を行う機会もあり、社会還元についても着実に進めている。以上より、上記のような自己評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究計画の最終年度であり、平成28年度実施のアンケート調査結果の分析が主要な課題となる。年度前半にまず、DPの形で結果の概要を紹介し、その後、詳細な分析に入る予定である。この分析の過程で、メンバーの持つ各分野の知見を生かしていき、アンケート調査の解釈の厚みを増すことにつとめる。
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Research Products
(17 results)