2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03370
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鎮目 雅人 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80432558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
つる見 誠良 法政大学, 付置研究所, 研究員 (10061227)
加藤 慶一郎 流通科学大学, 商学部, 教授 (60267862)
高屋 定美 関西大学, 商学部, 教授 (60236362)
西村 雄志 関西大学, 経済学部, 教授 (10412420)
高木 久史 安田女子大学, 文学部, 准教授 (50510252)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 貨幣史 / 近代移行期 / 内部貨幣 / 外部貨幣 |
Outline of Annual Research Achievements |
前近代から近代初期にかけての日本貨幣史の分析を縦軸とし、近代移行期の貨幣システムの国際比較を横軸とする歴史実証的アプローチを通じて、社会内部で貨幣が生起するメカニズムを検討するとの研究目的に基づき、主として以下の活動を行った。 (1) 2015年7月にCPPE Workshop on Free Banking in Historical Perspective(東京)を開催し、以下の海外研究協力者による報告を行った。"Private bank notes, central banking and monetary policy: the case of Sweden"(Lund大学Anders Ogren准教授)、"Family Networks and the Emergence of a Financial Capital in Antioquia"(Los Andes大学Andres Alvarez准教授)。 (2) 2015年8月の世界経済史会議(京都)で採択された"Free Bankins systems: diversity in financial and economic growth"と題するセッションにおいて以下の研究報告を行った。"The National Banking in Japan as a Layer of the Free Banking System"(鎮目・靏見)、"Private notes in the late Tokugawa Japan: the case of the Itami Brewery Guild"(加藤)、"The Role of the Bangkok agency of the HSBC in Southeast Asia before 1913"(西村)、"Local Paper Monies Ubiquitous Across Early 20th Century China"(研究協力者・黒田明伸)、"Chinese Economic Order and Banknotes -1935 currency reform Reconsidered"(研究協力者・諸田博昭)。 (3) 2016年3月の進化経済学会(東京)で採択された「貨幣の質と多様性」と題するセッションにおいて以下の研究報告を行った。「歴史における貨幣の多元性と交換の多様性」(黒田)、「貨幣の起源について:歴史実証の視点」(鎮目)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた活動をすべて実施し、2016年3月の研究集会において来年度以降の活動計画について検討、決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
①事例研究の継続:第1回の研究集会の方針に沿って、各自が資料調査、分析を継続して行うほか、執筆中の論文について、セミナー、学会報告等を積極的に実施してブラシュアップする。海外関係の調査は現地への出張を含めて行う。最終年度には、研究の完成度を高めるための補足的な調査を行う。 ②研究集会の実施:各年度に2回程度、問題意識の擦り合わせと事例研究の中間報告を兼ねて研究集会を行う。 ③最終年度における国際研究集会の実施:日本ならびにアジア地域に関する各事例研究の成果の発表とともに、世界の他地域の事例研究を行っている海外研究者による報告を実施する。こうした事例研究をもとに、日本の経験の世界史的な位置づけ、国際比較を通じた類型化・一般化の可能性、経済理論における貨幣の捉え方に対する知見等についての討議を行うことを展望する。 ④資料・データのアーカイブ化と研究成果の共有・公開:本研究の成果は学術書としての出版ないし学術誌への掲載を展望する。また、最終年度の国際研究集会での報告論文は、参加者間での情報共有にとどまらず、web上での公開を通じて広く世界全体を視野に入れた社会還元を図る。また、研究の過程で収集した資料・データのうち、今後の研究に役立つと考えられるものについては、アーカイブ化したうえでWeb上での共有・公開を展望する。アーカイブ化に際しては、早稲田大学現代政治経済研究所・実証政治経済学研究拠点のサーバーの活用を含めて検討する。
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Research Products
(15 results)