2015 Fiscal Year Annual Research Report
サプライチェーンにおけるタイミングコントローラー:市場適応方法の比較研究
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15H03382
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
岡本 博公 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (00104612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 彰 京都大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (00275116)
富野 貴弘 明治大学, 商学部, 教授 (90366899)
善本 哲夫 立命館大学, 経営学部, 教授 (40396825)
加藤 康 京都経済短期大学, 経営情報学科, 教授 (50352935)
藤岡 章子 龍谷大学, 経営学部, 教授 (80330025)
東 正志 京都文教大学, 総合社会学部, 講師 (20436497)
藤川 健 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (50454484)
横井 克典 九州産業大学, 経営学部, 准教授 (50547990)
中道 一心 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (60512001)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タイミングコントローラー / 市場適応 / 産業間比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は大きく分けて4つのことがらについて、研究活動を行った。第1に、理論構築に向けた本研究に関連する先行研究の整理を行った。研究メンバーが依拠する専門分野(生産管理論、商社論、倉庫論、物流論、中小企業論、事業システム論、リレーションマーケティング論)に基づいて、タイミングコントローラーの概念を固めた。 第2に、最終製品製造企業の生産計画策定プロセスに関する正確な実態把握である。そのためフィールドリサーチを行った。具体的には、日本企業の国内外にある拠点を訪問し、関係部署(生産・販売・購買の各部門)への聞き取り調査及び工場訪問(生産現場の観察)を行った。建設企業、自動車メーカー、二輪車メーカー、自転車メーカー、エレクトロニクス企業(AV家電メーカー、白物家電メーカー)、調味料メーカー、製氷企業、衣料メーカーに対するヒアリング調査を実施した。 第3に、そうして得られた一次情報を順次整理しケーススタディとして文書化した。その成果として、田中彰「総合商社のグローバル戦略―資源ブーム終焉の衝撃―」『京都大学大学院経済学研究科ディスカッションペーパーシリーズ』No.J-16-001、2016年4月がある。 第4に、研究成果を共有するため3度の研究会(京都、高知、愛媛)を開催した。特に、タイミングコントローラーという概念を精緻化すること、各産業分野の事例を共有することを中心に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイミングコントローラーの概念を精緻化するとともに、各産業における実態調査が進んでおり、順調に研究が進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書に基づき平成28年度は以下のことを行う。 第1に、最終製品製造企業が取引を行う供給企業と需要企業(買い手)との間に介在しているタイミングコントローラーへのフィールドリサーチを行う。最終製品製造企業が市場動向への適応を図るために策定した生産計画をタイミングコントローラーはどのように展開しているのかについて、聞き取り調査及び作業現場の観察を行う。需要企業側のタイミングコントローラーと、市場動向への適応を決定づける主要部材の供給企業側のタイミングコントローラーについて、平成27年度に訪問した企業から紹介を受けて実施する。 第2に、調査から得られた事例の本格的な分析を開始する。産業ごとに企業間比較を行い、市場適応におけるタイミングコントローラーを組み込んだ生産システムの競争優位性に関する分析結果をディスカッションペーパー及び論文で発表する。 第3に、国内の学会でも発表を行うとともに、第4に研究会を開催し、下半期から産業間比較を開始する。
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Research Products
(2 results)