2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03414
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
元治 恵子 明星大学, 人文学部, 教授 (60328987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 竜平 信州大学, 人文学部, 准教授 (40323563)
太郎丸 博 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60273570)
三輪 哲 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (20401268)
田辺 俊介 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (30451876)
長松 奈美江 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (30506316)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 階級・階層 / 社会的地位 / 社会移動 / 社会ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、職業構造の変化(非正規雇用労働者の増大、女性就業者の増加、産業構造の変化など)に対応する、職種のみならず、性別、雇用形態、企業規模などの面から、職業を多元的にとらえ、それを反映した社会的地位尺度(多元的職業威信スコア)を作成し、その妥当性や有効性を検証するとともに、現代日本社会の階層構造や社会状況を再検証することである。 初年度であった平成27年度は、まず、研究組織を立ち上げ、研究課題の目的達成のため、研究計画を再度確認し、メンバー相互の情報の共有化を進めた。これを含め、全体での研究会を3回実施するとともに、予備調査実施前には担当のメンバーでの打ち合わせを数回行った。 年度後半には、初年度の最大の目標であった予備調査の実施とデータ作成を終了した。予備調査では、職業威信スコアの多元化を試みた。具体的には、「1995年SSM調査」以降に新しく出現した職種と消滅した職種を洗い出し、評定対象となる職種を選出し、職種以外の項目(ジェンダー、雇用形態、企業規模など)を組み合わせたものについても調査した。詳細な分析は、これからだが、多元的な職業評定方法により得られた回答から「多元的職業威信スコア」を求めた結果、同じ職種でも従事する人の性別(男性/女性)、雇用形態(正規/非正規)、企業規模(大/中小)により、違いが見られることが明らかになった。 研究成果は、初年度という事もあり多くはないが、それぞれのメンバーが本研究と関連する研究を著書・論文・学会発表などで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に実施予定である本調査の基礎資料となる、初年度の最大の目標であった予備調査の実施とデータ作成を終了した。また、3回の研究会を行い、研究の進捗状況や成果を共有し、今後の方向性について話し合った。以上のような進捗状況から、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年(平成27年)度実施した予備調査の分析を進め、その結果を踏まえて、本調査実施に向け調査計画の検討を行い、改善を図る。調査の中心となる評定職業について、職種にどのような職業項目を組み合わせるのが良いかは、予備調査の結果と議論によって決定していき、年度後半に本調査を実施する予定である。調査方法については、予備調査の分析結果を検討し、決定する。調査実施後、本研究の目的のひとつである「多元的職業威信スコア」を構築するなど、基本的な分析を進めていき、研究成果を日本社会学会、数理社会学会などで報告し、フィードバックを求めることを計画している。また、昨年度同様、各班の研究活動を円滑に進め充実したものとするために、日常的なやりとりはメールを通して適宜行う。また、班相互の情報の共有化および相互連携を図るために、全体での打ち合わせ(研究会)を年4回行うことを予定している。
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Research Products
(21 results)