2017 Fiscal Year Annual Research Report
福祉・介護サービスの市場化とガバナンスの変容に関する国際比較研究
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15H03427
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
平岡 公一 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10181140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 眞男 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (30234777)
山井 弥生 (斉藤弥生) 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40263347)
森川 美絵 津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (40325999)
長澤 紀美子 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (50320875)
須田 木綿子 東洋大学, 社会学部, 教授 (60339207)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 市場化 / 社会政策学 / 社会福祉学 / 高齢者介護 / ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の平岡が研究の全体を総括し、国別ケーススタディ及びテーマ別分析について、前年同様の役割分担を行い、年度当初の研究実施計画に沿って、研究を推進した。研究代表者と研究分担者、研究協力者における研究会は、2回実施し、それぞれの分担事項に関する研究結果の中間報告と研究実施計画についての打ち合わせを行った。国別ケーススタディに関しては、学術文献と政府等の文書による検討に加え、韓国・イギリス・ドイツにおいて、現地での調査・資料収集を行った。特に韓国では、「家族療養保護士」の仕組みについて、家族療養保護士自身の視点からの現状評価に関する実証データを得るため、家族療養保護士を対象とするインタビュー調査を実施し、インフォーマルなケアワークと市場の接合がもたらすインパクトについての貴重な一次資料を得ることができた。 3年間の継続的な研究により、先行研究では明らかにされてこなかった重要な知見も得られている。例えば、(1)イギリスについては、インフォーマルケアワーカーの人数の増加と負担の増加等の問題、資源の地域間格差や対応戦略の違いにも着目して分析する必要があること、(2)日本と韓国におけるケアワーク市場の政策的統制の相違について、インフォーマルなケアワークとの(非)接合という観点からの比較が有効であることなどである。 本年度は、研究成果の発表にも力を入れ、『社会政策』第9巻第2号の小特集「ケアの市場化と公共圏の再編」で社会サービス市場の理論と、イギリスにおける社会的ケアの市場化についての論文を発表したほか、社会政策学会第135回大会でテーマ別分科会「(ポスト)家族主義福祉レジームにおける脱家族化と高齢者ケアの変容」を企画し、本研究の成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね平成29年度の交付申請時の研究実施計画に沿って研究を進めることができた。 また、研究成果の発表は、雑誌論文5件(うち1件は英文国際誌。掲載決定を含む)、学会発表は6件(うち国際学会3件)であった。 このことから、研究は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度も、基本的に当初の計画に沿って、国別・テーマ別の役割分担に基づく研究を継続するが、それらの研究結果を総合し、理論的・政策論的な検討を進め、日本における福祉・介護サービスの市場化とガバナンスをめぐる改革課題を明らかにすることにも重点をおく。 最終年度であることから、研究成果のとりまとめに力を注ぎ、2件の国際学会での発表を予定しているほか、研究期間終了後の研究成果の出版についても検討を進める。
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Research Products
(11 results)