2016 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災後の教育復興の進展と復興教育プログラムに関する研究
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15H03468
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 修司 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (70225944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大桃 敏行 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (10201386)
佐藤 広美 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (20205959)
石井山 竜平 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (30304702)
土屋 明広 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (50363304)
新妻 二男 岩手大学, 教育学部, 非常勤講師 (80125476)
谷 雅泰 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80261717)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 復興教育 / 防災教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
秋田大学教職大学院の院生とともに、岩手大学教職大学院で取り組まれている防災教育及び復興教育、新たに義務教育学校として発足し新築された大槌町立大槌学園への訪問と復興教育の調査、山田町立船越小学校の新設校舎の見学と復興教育の調査を行うとともに、大船渡市、陸前高田市の復興の状況を調査した。震災以来取り組まれている岩手県の復興教育が、各被災自治体、学校において順調に取り組まれていることが明らかになった。大槌学園ではコミュニティスクールとして、地域住民・保護者の参加も重視され、新設の建物の中に専用のスペースが設けられていた。ただ、被災地での児童生徒数の減少は加速しており、陸前高田などは未だに市街地の再生も至っておらず、復興と呼ぶにはほど遠い状況であることは明らかであった。同じ東北とは言え、被災のなかった秋田の院生にとって、大きな教育効果が感じられた。また、岩手県の小中学校を対象として、復興教育の状況に関する調査を再度実施した。結果の分析及び第1回調査との対比等は平成29年度に行う予定である。 福島については、浪江町教育長、浪江小学校長、大熊町教育長、大野・熊町小学校長への聞き取り調査を行うとともに、被災地の状況を視察した。帰還の実現する自治体がある中で、被災・避難自治体間の差が大きくなっている。帰還が実現しない中で、住民の減少、児童生徒の減少が続き、いわきなどへの転校が続いている。自治体独自の学校の存続が早晩難しくなる状況に合った。震災経験の風化が進み、被災地への風当たりさえも強くなる中で、被災・避難自治体及びその学校が置かれている状況は厳しくなっている。このような状況を、聞き取り、現地調査を通じて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
復興教育の状況について、岩手、宮城、福島の三県を中心にして取り組んでおり、被災自治体、学校等の聞き取り調査等を進めている。聞き取り調査等の中で、教育長、校長、教員等の率直な意見、状況を明らかにしてきている。震災から6年が過ぎる中で、年々の経過とともに変化していく状況を記録する取り組みを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、岩手、宮城、福島を中心にして聞き取り調査等を行っていく予定である。これまでの聞き取りデータ、アンケートデータを整理し、利用可能な形にして発表していく予定である。また、岩手、福島だけでなく、今年度は宮城で取り組まれている防災教育、復興教育のプログラムについても取り上げて調査する。被災県以外の学生、院生が、その取り組みから学び、自県の教育に取り入れるためのプログラムの開発にも取り組む。 秋田など、他県に福島等から避難している子育て世代の状況についても調査を引き続き進める予定である。熊本など、地震被害は全国に及ぶ可能性もあり、津波に対する取り組みも太平洋岸を中心に取り組まれていることから、関連する自治体、学校を訪問して調査する予定である。
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Research Products
(7 results)