2015 Fiscal Year Annual Research Report
近代化前後の日本におけるリテラシーの基盤的再編成に関する研究
Project/Area Number |
15H03471
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大戸 安弘 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (90160556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 敦 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (00297756)
軽部 勝一郎 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (30441893)
天野 晴子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50299905)
川村 肇 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (60240892)
池田 雅則 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (60609783)
木村 政伸 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70195379)
八鍬 友広 東北大学, 教育学研究科, 教授 (80212273)
鈴木 理恵 広島大学, 教育学研究科, 教授 (80216465)
太田 素子 和光大学, 現代人間学部, 教授 (80299867)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | リテラシー / 識字 / 学び / 書字 / 作文 |
Outline of Annual Research Achievements |
5月30日および31日に日本女子大学家政学部において、平成27年度第1回研究会を開催した。その第1部では、大間敏行による研究報告があった。テーマは「明治初期における作文学習書の登場」であった。これまで研究対象として取り上げられることがほとんど無かったこともあり、基礎的資料の調査の段階ではあるが、今後の可能性の広がりが期待できるものであった。第2部では、平成26年に私たちの研究会による共同研究の成果として出版された『識字と学びの社会史』(思文閣出版)について、インディアナ大学リチャード・ルビンジャー教授より英語翻訳の提案があったことから、その対応について議論し、同書執筆メンバーが全面的に対応することで合意した。 第2回研究会は、8月1日に獨協大学国際教養学部にて開催し、ルビンジャー教授よりの翻訳上の提案に対して研究会としてどう対応すべきか意見交換を行い、大戸安弘、川村肇、木村政伸、八鍬友広による翻訳版の序論をまとめることとなった。また、本年度の課題である山口県での史料調査の実施は、基礎調査の状況から次年度へ先送りすることとなった。 第3回研究会は、12月12日および13日に横浜国立大学教育人間科学部において開催し、木村政伸「宗教的情操および道徳性の形成における非文字メディアの活用」、大間敏行「明治10年前後の作文授業論について」、池田雅則「判人文官たりえる資格ー1913年改正「文官任用令」までの官吏任用制度ー」の三つの研究報告があった。 第4回研究会は、2月6日および7日に獨協大学国際教養学部にて開催し、川村肇「識字と近代日本語の成立」の研究報告があった。その後、参加メンバー個々の研究進捗状況についての報告があり、個別の課題については概ね予定通りの進展であることが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4回の研究会を開催し、10名の研究分担者と1名の研究協力者がそれぞれの個別課題についての研究報告を行い、活発な討議を進めた。個別のテーマはこれまでの研究史のなかで未開拓に近いものばかりであるが、それぞれが研究上の的確な手がかりを得ており、数年の間には成果が結実し、関連学会での報告として纏まることが予想されるものが多かった。また、共同研究の成果として出版した『識字と学びの社会史』(2014年)の英訳事業への対応も行った。ただし、メンバー共同の課題である、山口県をフィールドとした本格的な調査の実施が翌年に先送りせざるを得なかった。この点は次年度に挽回させたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
個々のメンバーの個別課題については、さらのその精度を上げ、成果としてまとめるように尽力したい。次年度から1名の研究協力者が、研究分担者としての役割を果たすことが期待されており、総合的には研究活動が強化されることになる。また、全体の課題であるが、先送りされた山口県での資料調査活動を確実に実施し、今後の展望を切開くこととしたい。
|
Research Products
(5 results)