2016 Fiscal Year Annual Research Report
実践的指導力の育成を目指す小学校英語教員養成の高度化に関するカリキュラム策定
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15H03496
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本田 勝久 千葉大学, 教育学部, 教授 (60362745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
建内 高昭 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10300170)
粕谷 恭子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40456249)
松宮 奈賀子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (70342326)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教員養成 / 小学校英語 / カリキュラム策定 / 実践的指導力 / 高度化 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校英語教員を「小学校教員+英語指導担当教員」と位置づけ、基礎データを収集した。「小学校英語を指導するのに必要な英語力や指導力とは何か」を明らかにするとともに、中教審答申「教員として求められる事項」に基づき、教科及び教職科目との相互補完関係を築く小学校英語の専門科目を提案した。提案したピラミッド型の授業内容を構築するとともに、指導的役割を担う小学校英語教員を養成するカリキュラムの位置づけをデザインした。 カリキュラム構成案は「教科としての英語教育」を視野に入れ、目的論・教材論・方法論・評価論などの観点から、小学校英語教育を担う教員を養成するためのものである。しかし、このカリキュラム編成を実現するためには既存の教員養成の枠組みでは限界があり、高度化されたカリキュラムデザインを構築する必要がある。本年度は、このカリキュラム構成案を改善及び修正し、小学校英語のための履修基準や教職関連科目(初等教科教育法)の枠組みを構築した。また、小学校教職課程において、英語の専門科目を履修させるためには、履修内容の整理と圧縮が不可欠であり、養成段階と研修段階での連携と連動による「小学校教員+英語指導担当教員」を育成するプログラムを提案した。さらには、「教育実践力向上のための質的保証と評価」を踏まえたインターンシップを実現するため、海外での教育実習を検証した(具体的な例として、Theresianum Academy, Rudolf Steiner School Wien-Mauer, Goethe Gymnasiumでのウィーン海外教育実習の検証)。教職課程のグローバル化に対応するためにも、このような海外教育実習を小学校英語教員養成プログラムに位置づけることによって、学生にとって必要とされる異文化能力や英語でのコミュニケーション能力を育む教職課程を実現できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学校英語の指導的役割を担う小学校教員を育成するため、教科としての英語に対応する専門科目を構築し、具体的なカリキュラムの位置づけや方法論を提示した。教科及び教職科目との相互補完関係を強化し、質の高い確かな教育実践力を形成する「小学校英語のための専門科目」を提案した。 中国、韓国、台湾をはじめとした国々では、グローバル化に対応した次世代の人材育成の根幹として小学校からの英語教育が進められている。日本の小学校英語「教科化」に対応するため、東アジアにおける小学校英語の現状を把握するとともに、先駆けて英語を教科として導入している中国、韓国、台湾の指導者養成からの知見を得て、小学校英語を担当できる質の高い教員を確保するための養成の在り方を模索することは、日本の急務の課題である。小学校外国語活動のための履修基準や教職関連科目(初等教科教育法)の枠組みを提案した。その基本的な考え方は、小学校外国語活動教員を「学級担任+外国語活動指導担当教員」(学級担任としての総合的な力量を有し、かつ外国語活動を指導するのに十分な英語力と指導力を有する教員)という位置づけで、カリキュラム編成案を発表した。本年度は、次世代を見据えた中国、韓国、台湾の初等教員養成システムを参照し、日本の教員養成カリキュラムを見直し、小学校英語教員養成の高度化に関するカリキュラムを構築した。特に、小学校英語教科教育法と関連する教科専門科目の枠組みを構築し、教科専門科目の位置づけと教科専門科目の一覧を提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校英語実践力を向上させるインターンシップ制度(半年間の集中型と1年間の定期型)を検討する。小学校英語教員養成におけるカリキュラムデザインを確立し、教育実習の在り方を検証するとともに、学校現場や教育委員会との連携・協働による実践型プログラムを模索する。具体的には、小学校英語の指導的役割を担う小学校教員にとって必要な総合的な力量を培い、教育実践力を向上させるインターンシップ制度の導入を検討する。実践的指導力を育成するプログラムを模索し、「小学校英語の実践力を高めるインターンシップ制度を導入する。 小学校教職課程の枠組みを見直し、教科専門科目の履修内容を整理することによって、小学校教員としての総合的な力量を有し、かつ英語を指導するのに十分な英語力と指導力を有する教員を養成するプログラムを提案する。小学校教職課程に所属する学生が必修として履修する小学校英語関連科目から、選択必修、さらには選択として履修する小学校英語専門科目へと段階的な運用を検証する。また、既存の授業科目の枠を超えた学外学修プログラム(インターンシップや海外教育実習等)のような教員養成の高度化に対応する方策を模索する。このような養成の高度化によって、「小学校教員+英語指導担当教員」として必要な資質能力を身につけていくことになると考えられる。
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Research Products
(11 results)