2016 Fiscal Year Annual Research Report
理科教育における自然のモデル化・数学化能力育成の基礎的研究
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15H03506
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内ノ倉 真吾 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70512531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伸也 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (10570434)
高橋 聡 椙山女学園大学, 教育学部, 講師 (20613665)
稲田 結美 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30585633)
板橋 夏樹 宮城学院女子大学, 教育学部, 准教授 (90733212)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モデル / モデル化 / 数学化 / メタ表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、モデルの理論的な検討、子どもの自然のモデル化・数学化能力の認知的な特性の把握、諸外国の理科/数学カリキュラムの構造分析を踏まえた上で、理科教育における自然のモデル化・数学化能力の育成方法の基本的な枠組みを構築することを目的とする。 (1)文献調査として、平成27年度に引き続き調査を進め、学習科学におけるモデルを基礎とする科学学習論(例えば、Lehrer & Schauble,2006 および欧米の主要なジャーナルInternational Journal of Science Education ,Science Educationなど、ラーニングプログレッションズ論(例えば、Alonzo & Gotwals, 2012)を対象に再検討して、先行研究の課題として、モデルと多様な表象様式との関連性が十分に検討されていないことを確認した。 (2)国際比較調査として、アメリカの理科教師団体であるNational Science Teachers Association(NSTA)でのSTEM Forum2016へ参加して、科学スタンダード(Next Generation Science Standards; NGSS)におけるモデル化や数学化の位置付けおよび統合的なSTEMアプローチの内容を把握した。具体的には、事物・事象のモデル化、科学的・数学的な知識の活用、工学的なデザインの観点からのものづくりのプロジェクト学習、定量的な評価などの要素が含まれていることが明らかになった。 (3)日本の中学生を対象にしたモデル・モデル化の実態に関する調査を実施し、中学生は、モデルについて一定の考えをもっているものの、それには数学的なモデルが含まれていないこと、特定のモデルを学習する文脈を除くと、自然の事物・事象を対象として必ずしも自発的にモデルを使用する傾向があまり見られないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の研究分担者と共同して、(1)文献調査、(2)国際比較調査、(3)フィールド調査調査を予定通りに実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
事前の研究計画に従って、国内外の研究分担者と共同して、(1)文献調査、(2)国際比較調査、(3)教科間比較調査、(4)フィールド調査を実施する。特に、(4)フィールド調査として、小学生・中学生の自然のモデル化・数学化能力の調査実施と分析を重点的に取り組む。
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Research Products
(18 results)