2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03512
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大井 学 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70116911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 博 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00248270)
松井 智子 東京学芸大学, 国際教育センター, 教授 (20296792)
内海 彰 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (30251664)
三浦 優生 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (40612320)
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70322112)
権藤 桂子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90299967)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 語用論 / 自閉症 / 言語障害 / 難聴 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
3つの研究計画を実施した。1)子どものコミュニケーションチェックリスト(CCC-2)日本版の標準化群、自閉症群および言語障害群の関連を検討、2)先行研究をレビューし、語用論発達評価法のパラメタ―を特定、3)小学校のことばの教室ならびに聞こえの教室担任教員を対象とするアンケートの実施、の3計画である。1)については、CCC-2の全般的コミュニケーション能力群(GCC)と、社会的逸脱の偏り群(SIDC)の2つの変数について、自閉症群、言語障害群のそれぞれが標準化群の示した分布の中に納まること、SIDCの分布は自閉症群、標準化群、言語障害群の順で大きくなり、原著者Bishopが示唆している通り、一方の極に自閉症、反対極に言語障害をおく、連続的な分布をなすことが確認された。GCCが、自閉症群、言語障害群と標準化群のあいだに量的な連続性を示し、自然なカットオフは存在しないことが明らかとなった。この成果については現在国際誌に投稿中である。2)については、関連性理論でいう「一義化」「飽和」「自由拡充」「アドホック概念形成」「推意」、「丁寧さ」「文脈的推論」「比喩・慣用句」「文脈の利用」にわたって下位項目を仮に作成した。ワークショップで検討し、実施プランを準備中である。 3)については東京都難聴言語学級連絡協議会に協力を依頼し、375名の教員を対象に、言語障害、自閉症、学習障害、難聴にまたがって「不適切なコミュニケーションのエピソード」の報告を求め、44名から回答があった。2)の語用論発達評価法仮案に追加して評価の枠組みを構築する準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した3つの研究計画が順調に進行し、語用論発達評価法の試案を作成する準備が着実になされた。会話分析が自閉症にのみとどまっている点がやや遅れを示している点であるが、それ以外は当初の予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
難聴、知的障害、言語障害、学習障害の子どもの会話の分析を行うことを計画し、着実に実行する。
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Research Products
(7 results)