2016 Fiscal Year Annual Research Report
選好性注視点定量計測による自閉スペクトラム症幼児の早期発見に関するコホート研究
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15H03513
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
小枝 達也 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, こころの診療部, 部長 (70225390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅彦 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252819)
前垣 義弘 鳥取大学, 医学部, 教授 (80252849)
玉崎 章子 鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (90444629)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自閉症 / 選好注視点計測 / 早期発見 / コホート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:自閉スペクトラム症 (ASD) では、人よりも幾何学図形を好んで見ることが報告されている。この特徴を早期発見に応用することを目的としたコホート研究を開始している。今回は1歳6ヶ月児健診で言葉の遅れや視線の合いにくさなどにより、ハイリスクと判定された幼児の視覚的選好性を明らかにすることを目的とする。 対象と方法:昨年度および今年度にかけて対象児をリクルートし、計134名の発達障害のリスクのある2歳幼児をノミネートすることが出来た。Gaze Finderを用いて約2分間の部で終え異常を見ているときの視点を検出した。視点検出率を0.6以上を有効データであると仮定したとき、120 名のハイリスク児のデータが利用可能であった。検査の遂行率は89.5%と良好であった。これらのデータをtime sequential analysisにて、時間経緯における選好性、すなわち人の顔を見たのか、幾何学図形を見たのかについてその割合を比較した。 結果:8つの動画で人を見ている時間が長いという結果が得られた。これら8つの動画を見ているときの人を見ている時間と幾何学図形を見ている時間の分布をもとに、クラスター分析を行ったところ、4つのクラスターに分けられ、クラスター1に属する13名は、幾何学図形を見ている時間が人を見ている時間よりも長いというパターンを取ることが判明した。 【考察】 先行研究結果に照合して、クラスター1に分類される児は、いわゆる自閉症パターンを取っているのではないかと推測され、自閉症のハイリスク群をGaze Finderによって同定することが可能であると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおりの対象者数を集めることが出来ており、Gaze Finderによる検査も順調に実施できている。また、解析方法にも工夫や改良を進めており、自閉症の小児と同じパターンで人や幾何学図形を見つめる幼児をクラスター分析によって、同定できるようになっている。 こうした点からもほぼ予定通りの進捗状況であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、3歳でのデータ収集を行い、選好注視点の変化を追跡する予定である。ハイリスク集団としてのトラジェクトリーに加えて、個人での変化も追跡したいと考えている。 また、5歳に到達した時点で診察をして、自閉症であるかどうかの判断や保護者による社会性の質問紙(SRS2もしくはSCQという社会性や集団生活の様子を聞く質問紙)を実施して、Gaze Finderの検査結果と照合して、Gaze Finderの有用性を検証するという段取りで進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)