2017 Fiscal Year Annual Research Report
Early detection of autism spectrum disorder by applying specific preferential-looking behavior
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15H03513
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
小枝 達也 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, こころの診療部, 部長 (70225390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅彦 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252819)
前垣 義弘 鳥取大学, 医学部, 教授 (80252849)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 選好性注視点計測 / 早期発見 / コホート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:自閉スペクトラム症(ASD)の幼児を早期発見するのに、視覚選好性定量計測が有効であるかを検証することを目的とする。 対象と方法:1歳6か月児健診にて、言葉の遅れや支持の入りにくさ、多動、視線の合いにくさなどにより発達障害が疑われた幼児134名を対象としている。134名を2歳、3歳、5歳の時点で観察し、視覚選好性定量計測、SRS-2やSCQといった社会性に関する質問票調査や感覚プロファイリング調査を行っている。5歳でアウトカムを知るために小児神経専門医による診察を行う。 平成29年度では、5歳になった対象者が46名であり、そのうち36名が研究に参加し、視覚選好性定量計測、SRS-2とSCQというASDに関する質問票、感覚プロファイリング調査および小児神経専門医の診察を受けた。参加しなかった10名のうち5名は転出により追跡できなくなっていたが、5名は平成30年度に持ち越して、さらに参加を呼び掛けることとした。 36名のうち定型発達児は13名、境界域知能や軽度知的障害が疑われる児は10名、知的障害のないASD4名、知的障害のあるASD6名、ADHD2名、場面緘黙1名であった。定型発達と判断された13名全員に1歳6か月児には言葉の遅れがあり、2名では視線の合いにくさ、2名では多動が、1名では怖がることを指摘されていた。一方で知的障害のあるASD6名でも全員で言葉の遅れがあり、2名で視線の合いにくさ、1名で怖がる、1名で規制が認められており、1歳6か月児時点では知的障害のあるASD児に特徴的な問題は抽出できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに対象児の参加があり、注視点計測や質問票調査も順調に実施できている。調査地域の母子保健行政の協力状況がきわめて良好で、参加できない保護者向けに予備調査日を年度末の土曜日と日曜日に設定したが、これは地域保健部局の協力なくしては不可能であった。 数%の対象者は転出しており、捕捉することができなかった。 平成30年度以降の調査でも、転出者以外に対象者については計画通りに調査を実施できる見通しが持てる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度でほとんどの対象児が5歳になり、アウトカムを調べることができる。可及的に多くの登録者に参加してもらえるように、調査の日数を確保したり、土曜日、日曜日にも調査の日を設定して参加しやすい環境を整えていきたい。
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Research Products
(3 results)