2015 Fiscal Year Annual Research Report
アンジップ単層グラフェンナノリボンの革新的エッジエンジニアリング
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15H03531
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 啓文 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (90373191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 豊和 千葉大学, 大学院融合科学研究科, 准教授 (10383548)
田中 大輔 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (60589399)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 単層グラフェンナノリボン / 半金属性 / 半導体性 / 交差構造 / アンジップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではカーボンナノチューブをアンジップして作製した単層グラフェンナノリボン(sGNR)の電気特性を調べるものである。今年度は2層カーボンナノチューブ(DWNT)および単層カーボンナノチューブ(SWNT)を確実にアンジップできる条件を厳密に確立した。アンジップ時に溶液に加えるPmPVは従来10分の1まで減少させることができ、これによりほぼコンタミなくGNRを基板上に分散させることができるようになった。またDWNTより作製したsGNRの交差構造を作製し、ジャンクション周辺の電気特性を調べた。DWNT由来のsGNRは幅が30-50nm程度で半金属性を有するが、これを交差させると交差部のみが半導体的になる。走査トンネル分光によるとバンドギャップは約330meV程度になると予想された。これは既報の理論計算による予想値と非常に良く一致している。また交差角度を変えた交差構造の電気特性を伝導AFMにより測定したところ、バンドギャップはほぼ0.6±0.1eV程度で一定であったが、交差角度が30度の倍数になるときにバンドギャップがゼロになることがあった。これも理論計算によるとグラファイトのA-Bスタックと同じ重なりをするときには、バンドギャップがゼロになるとの予想があり、その予想と一致していて注目される。現在トランジスタの配線はFINFETで約30nmの厚みがあり、それを将来sGNRで置き換えることができるのではないかと期待される結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りsGNRの交差構造の電気特性を評価し非常に有意義な結果を得た。今後はsGNRに有機分子を修飾させ、電気・スピン伝導特性などの物性を評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後sGNRのエッジ部分に強アクセプター分子のHATや単一磁石分子のポルフィリンダブルデッカーなどを合成的に化学修飾させ電気・スピン伝導を制御できるかを評価する予定である。
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Research Products
(13 results)