2015 Fiscal Year Annual Research Report
低次元ナノ構造水酸化物の形態や構造制御による機能チューニング
Project/Area Number |
15H03534
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
馬 仁志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (90391218)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水酸化物 / ナノシート / ナノコーン / イオン交換 / グラフェン / 脱塩処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷移金属Co-Ni水酸化物系において、反応温度、金属組成や陰イオン性界面活性剤の種類などを調整し、ナノコーンを高収率に合成できるマイクロ波溶液プロセスを最適化した。温和な条件の下で、ナノコーンを単層剥離し、高品質な2次元水酸化物ナノシートに誘導することに成功した。 均一沈澱法から得たMg-Al系及びCo-Al系層状複水酸化物(LDH)板状結晶を脱炭酸処理により硝酸アニオン(NO3-)に交換した後、ホルムアミドの中に機械的振とうを加えて剥離し、カチオン性LDHナノシートを得た。反対に荷電しているLDHナノシートと酸化グランフェンを2次元ビルディングブロックとして凝集させ、交互に積層するヘテロ構造を合成した。このヘテロ凝集体をマイクロフィルターに真空ろ過させることによって、機械的に強固かつ柔軟な自立型複合膜を作製した。 作製した複合膜を用いた水溶液の脱塩処理実験において、溶液中のカチオン及びアニオンの原子価数に厳密に応じて有効に濾過または分離することが新たに分かった。酸化グラフェンまたはLDHナノシート単体の多層膜では溶液中のイオンの電荷に対して相対的な選択性を示さないことから、この分離特性はLDHナノシートと酸化グラフェンを分子レベルでの交互積層から生じた相乗効果であることを示唆する。この複合膜に発現されたイオン濾過および分離特性が、イオン交換膜として廃水処理及び再利用ならびに選択的にイオン輸送等に向けて多様な用途が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LDH板状結晶または水酸化物ナノコーンから高品質な2次元ナノシートに剥離するプロセスを最適化した。反対に荷電しているLDHナノシートと酸化グランフェンを交互に積層するヘテロ集積プロセスを開発し、自立複合膜を作製できた。この複合膜はイオン濾過および分離プロセスにおける新奇特性を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は遷移金属CoやNiを主要組成とする水酸化物ナノコーンを重点的に合成し、電極活物質としての電気化学特性を系統的に調べるとともに、水酸化物系ナノ物質の陰イオン(水酸基)伝導特性を考察し、無機固体電解質としての新規機能を開拓していく。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Perovskite Solar Cell Using a Two-Dimensional Titania Nanosheet Thin Film as the Compact Layer2015
Author(s)
Can Li, Yahui Li, Yujin Xing, Zelin Zhang, Xianfeng Zhang, Zhen Li, Yantao Shi, Tingli Ma, Renzhi Ma, Kunlin Wang, Jinquan Wei
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Journal Title
ACS Appl. Mater. Interfaces
Volume: 7
Pages: 15117-15122
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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