2015 Fiscal Year Annual Research Report
積層グラフェン構造体エッジを利用した環境感応π電子ナノ多孔体の創製と機能発現
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15H03537
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
林 卓哉 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (80313831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 寛之 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (70509984)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グラフェン / カップ積層型カーボンナノチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では炭素の結晶性と細孔活性度の両立を図るために、応力等の外部環境により特性変化する積層グラフェンエッジで囲まれた環境感応π電子ナノ細孔からなる、多孔質材料の創製を目指す。高活性なπ電子面で構成されるπ電子ナノ細孔では、従来の炭素細孔内では実現できない革新的な化学的、電気的、光学的、そして磁気的機能の発現が期待できる。カップ積層型カーボンナノチューブ(CSCNT)を用いて細孔サイズや特性の異なるπ 電子ナノ細孔を有した構造体を得る。酸化によりCSCNTの表面にグラフェンエッジが露出するように調整し、形状制御を行った。今回は空気酸化によりCSCNT 表面エッジ部の活性化処理を行った。繊維長をボールミリングや超遠心分離により数10μm から数10nmの範囲で調整してナノ空間サイズ制御を行う。これらを分散した液体を吸引濾過してπ 電子ナノ細孔で構成されたシートを作製した。得られた試料に関してTEM、SEM、Raman等により構造解析を行った。上記で得られた局在π電子ナノ空間の構造解析を行って原材料の形状と、得られるπ電子空間の関係検討した。用いる装置はSEM、収差補正TEM(EELS)、XPS、Raman、陽電子寿命測定装置である。これらによる分析により局在π電子空間構造を形成できているかを実験的に確認し、π電子がナノ空間内にどのように分布するか併せて確認した。また、触媒能を確認するために水素発生能力を検討した。その結果、グラフェンなどよりも優れた特性が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カップ積層型CSCNTのエッジ部を活用したバルク体の形成に成功し、水素発生能の計測に成功し、計画通りに進展している。また、グラフェンナノリボンに関してはCNTの開裂を行っており、若干遅延が生じているが、CSCNTで特性測定ノウハウ蓄積ができているのでナノリボン生成が必要量に達すれば迅速に作業可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね計画通りに進行しているので、さらなるエッジ部の有効な露出手段、空間形成の手法効率的な形成手法の検討を行って作業の効率化を図る。
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Research Products
(3 results)