2017 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of high sensitive magnetic sensor using multiferroic tunnel junctions
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15H03548
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沼 博 東北大学, 工学研究科, 助教 (60434023)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マルチフェロイックス / トンネル接合 / BiFeO3 / 電磁気効果 / 室温 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の実験は主に共同研究相手のフランス国の国立科学研究センター(CNRS)で行った。日本と連携しながら多層膜構造の試料作製を協力して行い、フォトリソグラフィーを用いた微細加工および高精度・低ノイズの電気測定をCNRSで遂行した。CNRSで電気測定を行った理由は、ノイズ対策のためのノウハウが豊富であり、本研究における高感度の電気測定を正確に行うためにはCNRSの評価装置を利用して実験を行う必要があったためである。平成29年度の前半は、電気測定装置に用いる分岐コネクタの改良および測定経路の短縮化によるノイズ低減を試みた。理由は明らかにならなかったが、分岐コネクトを数種類試すことによりノイズを低減させることに成功した。測定経路の短縮化はノイズ低減への効果が低く、CNRSで既に施されているシールドが効果的に機能していたと考えられる。このように、電気測定装置のノイズ低減を試験的な試料を用いて改善することができた。平成29年度の後半は、電子がトンネルできる程度まで極薄化したBiFeO3障壁を用いた接合素子構造により高感度の磁気抵抗効果測定を行った。ノイズ対策を施した専用の試料棒を用いてPPMS装置により90 kOeの大きな外部磁場を印加したところ素子抵抗の変化を確認することができた。弱磁場でも素子抵抗の変化を観測するために非対称界面を形成して、界面にインプリントを付与させた。微弱な外部磁場に対して素子抵抗が変化している様子が観測されたが、リーク電流が多かったためトンネル効果とリーク効果の区別が明確でなかった。そこで、パルス電界を印加してリーク電流を抑制した測定を行った。結果としてトンネル効果によって素子抵抗が変化していることが観測された。これは、外部磁場により自発分極が変化する電気磁気効果によるものと考えられるため高感度磁気センサーとしての指針を得ることができた。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)