2016 Fiscal Year Annual Research Report
磁気イメージングのためのWolter型中性子顕微鏡の研究
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15H03593
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
曽山 和彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (90343912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 洋寿 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科, 中性子科学センター, 副主任研究員 (50444477)
山村 和也 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60240074)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レプリカミラー / マンドレル / 中性子検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) Wolterミラー用マンドレル創成技術の改良 マイクロ波プラズマジェットを用いた数値制御プラズマCVM装置によって、合成石英からなるWolterミラーマンドレルの作製技術の改良を実施した。プラズマジェット加工による当該マンドレルの形状加工には、反応ガスとしてCF4を用いるが、マンドレルの全面修正加工を行う場合、1回あたり約40時間程度が必要であることから、先行研究を基に酸素O2ガスの添加により、加工速度を向上させる試験を実施した。その結果、今回のような大気開放下での条件では、逆に酸素が巻き込まれることでCF4の解離が阻害され、体積加工速度は減少することが判明した。また、加工速度の基板温度依存性を検討したところ、加工点における表面温度はプラズマジェット中のガス温度に支配され、ほぼ一定であることを明らかにした。 (2) 中性子ズーミング2次元検出器の整備 中性子ズーミング2次元検出器用に使用するGdコンバータとCsI光電変換面を組み合わせた変換素子の検討を行い、それらの膜厚をパラメータとして中性子顕微鏡の検出効率、空間分解能の最適化検討を行った。Gdが中性子捕獲後放出する内部転換電子のエネルギーを評価した結果、Gdの厚さが10μmの場合、約20~170keVの範囲のエネルギーとなり、薄膜表面から放出される電子のエネルギーは50~70keV付近のものが一番多い。さらに、検出効率を向上させるためには膜厚が2~3μmが最適であることを明らかにした。また、中性子ズーミング管検出器の最終段のシンチレータによる画像読出し系について、従来のCCDカメラに変え、時間分解能を向上させる為、MPPCアレイモジュールによる読み出し法の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H27年度において、レプリカミラーの創成技術の検討において、当初の計画にないNi/Ti多層膜と剥離材料を考案できたため、その作成条件の最適化に時間を要した。H28年度は、NC-PCVMによるマンドレルの超精密加工の条件出しを行うと共に、中性子ズーミング2次元検出器用に使用するCsI光電変換面とGdコンバータの膜厚の最適化検討に時間を要したため、やや計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
NC-PCVMによるマンドレルの超精密加工の条件出しを精密に検討することが、結像光学系の高解像度に直結する為、十分な加工条件の検討を進めることとしている。これを基に最終年度の後半で、中性子顕微鏡の光学系の構築を効率良く進め、中性子ビーム実験の実施することを目指す。
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Research Products
(5 results)