2015 Fiscal Year Annual Research Report
Demonstration of an on-chip electron accelerator aiming at application to the radiobiology research
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15H03595
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
小山 和義 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究員 (40357041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上坂 充 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30232739)
栗村 直 国立研究開発法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (10287964)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 量子ビーム / 加速器 / フォトニック結晶 / 高性能レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
低線量放射線の生体に対するリスク評価や放射線化学研究などにおいて必須とされる1MeV程度の高エネルギーマイクロビームを試料の狙った位置にピンポイントでの照射を可能にする「オンチップ加速器」の要素技術をシミュレーションと実験によって開発している。目標はエネルギー利得が1MeV、電荷量が0.01fC以上、長さが1ps以下の電子バンチをエネルギーが1mJ程度のレーザーパルスで発生可能な条件を明らかにすることである。 そのために、(1)加速実験に使えるような石英製の透過型バイナリー・フェーズ回折格子の試作。(2)試作した回折格子のレーザー耐力試験。(3)回折格子のマウントと微調整機構を含む加速実験にための装置組み立て。(4)近接場計測の検討を行う計画であったが、周期がサブミクロンの回折格子を作成するために必須な機器(電子ビーム描画装置)の不調によって、必要な精度が得られなくなり、機器の修理調整に1年近い時間を要する事になった。そのため、実験計画に大きな支障が出ないよう、当初の計画を変更して平成28年度から新たな施設(物材機構・微細加工プラットフォーム)の機器を利用して回折格子を作成した。 具体的には、シミュレーションに基づいて設計した格子(光子の周期が425nm、格子高さが288nm)を石英基板上に作成し、透過型電子顕微鏡による検査を行った。格子の断面形状が当初は台形であったがエッチングの際の金属製保護膜の厚さを100ミクロンに増やす事によって矩形に近づけることができた。またバイアス用高周波の電圧を切る事によって、光学破壊の域値を下げるものと考えられるマイクロトレンチをなくすことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
繰越理由となった機器に代わるサブミクロン加工のための新たな設備として物材機構・微細加工プラットフォームを利用した。当該施設では整備された機器の利用に加えて加工及び検査方法の指導と相談を受けることができたために、光学破壊検査に適した形状の回折格子と加速実験に適した形状の回折格子を高精度で加工することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した回折格子を用いて光学破壊閾値の測定と片面からの垂直レーザー照射による電子加速の実証実験を行う。そのために、真空容器とその中の計測装置の設計と制作を行う。また並行してフォトカソード型電子銃の示唆とを行い、その特性を計測する。加速の実証ができたら、片面照射でも加速場の対称性が得られる構造の施策を行い、電子ビームの軌道を測定し計算結果と比較して、その構造の有効性を示す。
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Research Products
(5 results)